サプライサイド改革の成果

 

経済データは良い方向に向かう情勢であることを示しているが、そこには本質的にサプライサイドの構造改革が積極的役割を果たしている。

サプライサイドの構造改革における5大任務のトップとなる過剰生産能力解消は、予想を上回った。立ち遅れと過剰という二大弊害が集中する石炭、鉄鋼の二大産業は、今年年初に過剰生産能力をそれぞれ2億8000万トン、4500万トン削減するという誓約書を提出したが、9月末までにこの二大産業は共に削減目標の80%以上を達成しており、一部にはすでに繰り上げて目標を達成した地域や中央企業さえある。

包頭鋼鉄集団の製鉄工場2号高炉解体が始まった。これは全国鉄鋼業界の過剰生産能力解消が始まって以来解体した最大の高炉であり、製鉄能力にして133万㌧の削減となった(新華社)

ここでもたらされたのは、鉄鋼、石炭業界の経済運営状況の明らかな好転だ。第3四半期までに、鉄鋼協会加盟社は214億7000万元の利益を上げており、赤字状態を脱し、前年同期比393億5000万元増となった。年間主要営業業務所得が2000万元以上の石炭企業は224億8000万元の利益を上げており、これは前年同期比15%増だ。

過剰生産能力の解消は単純な引き算ではなく、解消する過程で構造調整と産業配置調整を加速するものだ。

今年9月、上海宝鋼と武漢鋼鉄という二大中央企業が正式に事業統合を発表した。この近年の中国鉄鋼産業界では最大規模の企業再編を、業界は過剰生産能力削減の模範的事例と見た。合併後の宝武鋼鉄は連携して605万トンの過剰生産能力を削減し、統合後は研究開発、技術、コスト面の優位性を生かし、世界でも最も競争力を有する鉄鋼企業の一社となることを目指している。

陳徳栄・宝鋼集団総経理(社長に相当)は、今回の企業再編における核心的任務は、市場競争力が不足した非効率的生産能力を削減し、より多くの優れた生産能力を効率的・系統的に発展させることであり、規模の上では1+1が2より小さくなるが、競争力においては1+1が2を上回ると述べている。

過剰生産能力の削減以外に、サプライサイドの構造改革におけるその他の任務でも、今年は喜ばしい成果が挙がっている。過剰在庫面では、一定規模以上の工業企業における製品在庫や分譲住宅の在庫面積はおしなべて減少し続けている。負債比率では、一定規模以上の工業企業における資産負債率は前年同期と比べ明らかに減少している。コストダウンの面では、増値税(VAT、付加価値税)改革など構造的減税政策のさらなる推進に伴って、企業の取り引き費用や税負担が大幅に引き下げられた。ボトルネックの解消面では、環境保護、農地水利など関連業界投資が急成長を保っている。

 

 

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