宇宙実験室が使用開始

 

今年9月、真の意味での中国初の宇宙実験室・天宮2号の発射が成功、10月には神舟11号とのドッキングに成功し、2人の宇宙飛行士が天宮2号に乗り込んで1カ月にわたり滞在し、中国の宇宙飛行士による宇宙空間滞在記録を更新した。

天宮2号に持ち込まれた実験項目は14件で、これらの実験はいずれも現在、世界最前線の探究分野のものだ。まず行われたのは地球観測で、地球上の海洋、植生、農業などはいずれも宇宙からの観測が可能な対象だ。次に天宮2号を天文観測プラットホームとして、視線を宇宙のさらなる深みに向けたもの。最後は真空、無重力、宇宙放射線など宇宙独特の環境条件を利用して行う材料科学、物理化学、生命科学の面での実験だ。このうち、最も注目に値するのは宇宙物理学分野の重点プロジェクトで、宇宙冷却原子時計(Cacs)実験だ。これで3000万年に1秒の誤差という超高精度の実現が有望になり、将来の全地球測位システム(GPS)、重力波観測(探査)など宇宙科学研究に重要な影響をもたらす。

このほか、青少年の科学普及活動の一環として、香港地区の中学生の宇宙科学デザインコンテストで受賞した三つの項目も神舟11号とともに宇宙に運ばれ、実験が行われた。宇宙飛行士が行ったこれらの実験は、小中学生が微小重力下での事物の状態変化を理解し、科学探究への興味を強めるようになる手助けである。

 

 

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