ダボスで続く中国ブーム

 

中国の習近平国家主席は今月17日、世界経済フォーラム2017年年次総会(ダボス会議)に出席する。スイスの小都市で再び「中国ブーム」が起こっている。

30数年前に中国の代表団が初めて世界経済フォーラム年次総会に参加し、ダボスと中国の縁が始まった。30数年の間に氷雪で白く染まったスイスの小都市で中国テーマが次第に盛り上がり、ダボスフォーラムも中国経済が改革・開放から世界第2の経済大国となるまでの立会人となった。

1979年の年初に中国の代表団が世界経済フォーラム年次総会に初めて姿を現し、その3カ月余り後に同フォーラムのクラウス・シュワブ会長率いる派遣団が中国を訪れた。それから30数年間にわたり、シュワブ氏は中国を毎年訪問しており、時には年数回訪れることもあった。

1992年1月、シュワブ氏の招きに応じ、中国の政府首脳が初めてダボス会議に出席。この年にダボスでは中国経済問題特集討論会が開かれ、数十カ国から集まった70数名の企業家、経済学者、政府関係者が中国経済の発展や改革、対外開放などの問題について広く意見交換を行った。その後、中国の改革・開放が着実に進み、中国の話題がダボスで盛り上がるようになった。

1998年には、中国がアジア金融危機のなかで発揮した機能がダボスのホットテーマとして注目された。似たような状況は数年後にも再び起こり、世界を巻き込んだ経済危機に直面するなか、中国の政府首脳がダボスフォーラムで積極的に情報発信し、世界経済の回復を図る中国の努力が参加者のホットテーマとなった。

2005年は、中国経済が急成長する一方、先進国経済のパフォーマンスが思うように上がらず、中国、インド、ブラジルなど新興国の経済成長が人々の関心を集めた。当時の年次総会の最初のテーマは中国で、会議期間中、中国関連の討論会は6-7回以上行われた。

こうしたブームが2006年も続き、フォーラム年次総会は特別に「中国の台頭」に関する討論会を開き、「中国」が次第にフォーラムで最も盛り上がるテーマとなっていった。

ダボスでの中国ブームが、中国での夏季ダボス会議の開催をシュワブ氏に思い立たせた。

世界経済フォーラムは2006年、北京市に事務所を開設し、スイス以外で初の代表所設立となった。2007年には、初の夏季ダボス会議が中国の大連市で開かれ、「グローバル成長企業」が先進企業と一緒に議論し、経験を共有するプラットフォームとなるだけでなく、世界経済フォーラムに明確な「中国元素」を注ぎ込んだ。これまでに夏季ダボスフォーラムは中国で10度開かれ、大連市と天津市の輪番で開かれる流れができつつある。

夏季ダボス会議の定期開催は、国際社会へ中国の改革・開放の成果を身近に理解し、客観的に中国経済の発展を認識する機会をもたらし、中国企業にも世界へ進む窓口を開くこととなった。世界経済フォーラムグローバル成長企業のメンバーにとっては、新たなビジネスチャンスをみつけ、先端の商業理念、管理モデル、情報ネットワークを学ぶことで、成長しながら世界進出を図ることができる。ダボスと中国の縁はますます深くなっている。

中国の習近平国家主席は、2017年年次総会開幕式で基調講演を行い、シュワブ氏や来賓と交流する予定だ。海外メディアは、世界的なポピュリズムの台頭と不確定性が拡大するなか、習近平国家主席が今年の年次総会で最も注目される人物となり、「ステージの中心に立つ」との見解を示した。

今回は1979年以降で最大規模の中国代表団が習近平国家主席と共に会議に参加する。清華大学の邱勇学長、清華大学の李稲葵教授、北京大学の林毅夫教授などの著名な学者や、アリババ集団の馬雲会長、万達集団の王健林董事長、華為公司の孫亜芳董事長、百度の張亜勤総裁などビジネス界の精鋭、中国系のチェリスト馬友友氏など文化芸術界の有名人もダボスフォーラムに姿を現す。

氷雪に覆われたスイスの小都市から、大海に面し、盛夏花咲く中国の海辺につながるダボスと中国の縁はますます強くなり、中国と世界経済フォーラムの交流・協力もさらに深化するだろう。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月17日

 

 

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