10年前の裴寨村は貧困に喘いでいた。村民たちは、たった10元のために子供の予防接種をあきらめたことがよくあった。農村では人々の健康に関する知識が乏しく、健康を蔑ろにして発生した悲劇は数え切れない。裴寨村に住む「三牛」と呼ばれた男性はまさにこの原因で亡くなった。彼はがっちりとした体格、豪快で親切な性格で、普段から大量の飲酒をものともしなかった。高血圧の持病を持っていたが、自分で気にかけていなかったため、突然電話が鳴ったある夜、電話に出ようと起きて、5分も経たないうちに高血圧の発作で世を去った。
「そもそも血圧を下げる薬を1錠を飲めば問題はなかったはずだが、残念ながら三牛は健康を意識していなかった」。「農村の家庭において彼のような青年·壮年層の労働力を失うことは、一家の大黒柱が倒れたと同然だ」と裴春亮氏は嘆く。このような悲劇を二度と繰り返さないため、裴氏は村の掲示用の壁に塗料で健康知識を書いたり、広場にバスケットコートや卓球台などのスポーツ施設を建てた。また毎年新郷市と輝県から医療専門家を招き無料で健康診断を行い、村民に病気の前兆があるかどうかをチェックしてもらったりしている。「村民は暇な時に広場に来て運動する。夏はバスケットボールや卓球をやったり、冬にはジョギングしたりして、体もだんだん丈夫になってきた」と裴春亮は紹介した。
この他、裴寨村は衛生問題をより重視するようになった。平常時は毎日4、5人ぐらいで村の道路掃除を担当し、ごみも分類して回収される。かつて、村民はハエや蚊が広める病気の危害についてよく知らなかったが、共産党員幹部が村の隅々に至るまで植物性殺虫剤を撒いてから、だんだんと虫や蚊が少なくなり、村民も清潔や衛生の良さを実感した。現在、裴寨村は汚水処理施設を建設しており、今後は濾過された各家庭の生活排水を溜池に貯水し灌漑用水として、リサイクル利用を実現する。
「身体の健康は大事で、精神面の健康は更に重要だ」。裴氏は村の皆さんの生活は豊かになったから、文化活動がそれに相応していけば、道を誤ることはないと考える。裴寨村の文化回廊では、毎週火曜日と土曜日に上演があり、豫劇(河南省の伝統戯曲)の好きなお年寄りが、近くの村からここに自発的に集まり、銅鑼や鼓などの楽器を鳴らし、豫劇を歌う。これ以外に、輝県と新郷市の文化芸術団体もよく裴寨村に来て出演する。子供たちには特別な「サービス」もある。毎年の夏休みと冬休みに、裴寨村は20~30人ぐらいの大学生を招いて、子供たちに歌、踊り、絵などを教えてもらう。
「毎年の春節前、裴寨村は村民大会を開く。全村民が集まり、一年の目標達成状況を総括し、新たな一年の目標を設定する」。将来どのように発展していくかについて、一人一人が把握する必要がある。衆知を集め、行動を一致することにより、仕事も達成しすくなる」と裴春亮は紹介した。(胡周萌)
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