中国経済の展望2017

黄漢権=文

 2016年は中国の「第135カ年計画(135)」のスタートの年だ。各界の普遍的な懸念の中、中国経済は良好なスタートを実現し、世界の経済成長に積極的な貢献をしてきた。より複雑で多くの変化や不確定な国内外の情勢に対面する2017年、中国が引き続き6.5%以上という中高速の成長を維持できるかは、世界中の注目をいっそう集めている。

昨年1月から11月の社会消費品小売総額は前年同期に比べ、10.4%増加し、前年同期に比べやや低いものだった。輸出入の貿易総額が前年同期比1.2%減少しており、このうち輸出は1.8%減、輸入は0.3%減とそれぞれマイナス成長を示し、減少幅は月を追って縮小傾向が見られる。

現在、中国の経済成長は依然として比較的大きな下振れ圧力に面している。2017年中国経済が対面する外部環境にはより複雑な変化が加わり、不確定性が増している。中国国内では経済が多くの困難やリスクに直面しているが、中高速の成長を保つ多くの有利な要素も持ち合わせている。例えば、改革をいっそう推進し、企業のイノベーションや起業のためにより素晴らしいビジネス環境を創造し、改革によるボーナスを引き出す。イノベーション主導型発展戦略を全面的に実施し、世界の最大数のエンジニアや大学生に向けイノベーション、新規事業の開始を有効的に刺激し、新たな人材のボーナスを生み出す。新型の都市化戦略を手堅く推進し、一億の移転人口の労働生産性を有効的に高め、都市化によるボーナスを拡大する。このように2017年中国経済は中高速の成長を維持しつつ、成長率が6.5%を下回ることはないと予想されている。

サプライサイドの構造改革は「135」の主軸であり、2017年は中国がその構造改革の深化を推し進める年である。マクロ経済政策において、中国は引き続き積極的な財政政策と安定した金融政策を堅持するが、力具合は若干異なるであろう。

(筆者は中国マクロ経済研究院 産業経済・技術経済研究所の所長)

 

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