中日軍事対立は誰を喜ばせるか?
最近、フィリピンは自ら進んで中国と手を組み、テロリズムと海賊に対応する要望を出しました。東南アジア諸国、特にマラッカ海峡周辺諸国にとって、長い間解決できなかった問題でした。現在、南海の南部地域は世界中でも海賊事件が最も多発する地域になっています。この45年の統計によると、アデン湾よりはるかに深刻です。アデン湾では年間数回の発生ですが、この地域では数十回も発生しています。またアデン湾では、海賊は身代金を要求するだけで、船員の命を奪うことはありませんが、この地域では、海賊は船員を皆殺しにして金品を奪うなど、非常に残酷です。

それに、この地域にはアブ・サヤフ、ジェマ・イスラミアなどのテロ組織が存在しています。それらテロ組織は猖獗(しょうけつ)を極めており、マレーシアで何度もテロを繰り返し、そのたびに百人以上が犠牲になっています。中国も被害者で、フィリピン南部で拉致された中国人観光者は少なくありませんし、命を失った人もいました。そのため、地域の軍事大国として、アセアン諸国の友好関係にある隣国として、中国はフィリピンなどの国々を支援し、共にテロと海賊に対応していく責任があると思います。中国海軍が南海の南部で軍事的プレゼンスを維持することは、地域の平和と安定の維持につながるプラス的な要素であり、プラスエネルギーであり、中国の国際義務でもあります。

東海については、日本国民は安心してよいと思います。中国は東海における軍事的プレゼンスを強化しても、攻撃的戦略ではありません。中国は積極的防御の軍事戦略を堅持しています。釣魚島は中国の固有の領土ですが、中国は軍事手段を通じてこの紛争問題を解決しようとしていません。中国は依然として中日関係に余地を残し、釣魚島問題を戦争に向かって推し進めることを望んでいません。戦争に訴えると、中国にとっても日本にとっても不利益なのです。平和の大局から考えると、中日間に食い違いが生じれば、誰が最もうれしいでしょうか? 日本の友人たちはよく分かるはずです。米国人が最も喜ぶのです。釣魚島問題の発生は、まさに米国が中日間に打ち込んだ楔と言えるでしょう。

高高度ミサイル防衛システム(THAAD)問題から見て分かるように、中国と韓国は一昨年自由貿易協定を結んだばかりなのに、昨年THAAD問題が出ると、両国はもめるようになりました。米国は日本に対しても同じように、19711972年当時、中日国交正常化の実現を妨害するために釣魚島問題を取り上げたことがあります。日本で民主党が政権を握って、中日が接近すると2010年に釣魚島問題が再び取り上げられましたが、その背後にも米国の影響がありました。1997年に東南アジア通貨危機が起きて、日本は中国にアジア通貨基金機関を設立するように相談を持ちかけたことがありますが、マレーシア、タイ、インドネシアなど東南アジア諸国は、国内総生産(GDP)が当時世界2位と6位の大国がようやく東南アジアの通貨の安定化のために立ち上がったと皆歓迎しました。しかし、真っ先に反対したのは米国でした。すでに世界通貨基金などの機関があって、あなたたちがアジア通貨基金とやらを設立してどうするつもりなのかという考え方だったのでしょう。そのため、米国は決して東アジアで中日が経済面で手を組んで、米国のコントロールから離脱した通貨体系が誕生するようなことを許すはずがありません。それはドルの通貨覇権への脅威になるからです。そこで、日本の友人たちによく考えていただきたいと思います。中日が食うか食われるかの闘争を行うのは、誰にとって最も有利なのでしょうか?

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