中日軍事対立は誰を喜ばせるか?

——-最近の朝鮮の核問題やTHAAD問題で朝鮮半島の情勢はにわかに緊迫化し、日本のメディアの注目点にもなっています。日本の読者に対して、これに対する中国の立場を説明していただけないでしょうか? 

 朝鮮半島問題について中国は米国や日本、ロシア、韓国と協力して朝鮮の核兵器放棄を望んでいます。朝鮮に核兵器があることは誰にとっても不利です。しかし説明しておきたいのは、朝鮮半島問題に対する中・米・韓の目的は完全には一致していないということです。 

中国は朝鮮の核兵器放棄を望んでいますが、米・韓の基本的な目的は朝鮮の現政権打倒です。習主席は、中国の目の前で戦争や混乱が起こることを絶対に許さないと述べました。これは米・韓、そして朝鮮に向けた言葉です。中国は朝鮮に対し、核兵器開発を続けることは自身の不利になると説得しました。過去数十年間、米国は朝鮮に手を出しませんでした。当時の朝鮮は核兵器を保有していませんでしたが、背後に中国がいたため、抗米援朝戦争が米国への教訓となったのです。ですから、ミサイルと核兵器は朝鮮の安全を保障するものではなく、かえって米国が先に手を出す理由になる可能性もあります。核兵器を放棄し、平和的な話し合いを進め、経済の発展を目指すことが朝鮮が取るべき道です。 

しかし説得を聞くのも聞かないのも朝鮮の問題です。朝鮮は独立主権国家であり、中国と朝鮮の関係は日米関係、米韓関係とは異なります。日本と韓国は米国の「パートナー」ですが、朝鮮は中国と相互平等の国家です。中国は米国と朝鮮半島問題で協力していますが、現政権打倒には反対しています。中国は話し合いによる争いの解決を主張していますが、米国は朝鮮の核問題を理由に韓国の「THAAD」配備を推し進めるなど、中国の安全と利益に直接影響を与えただけではなく、ロシアなどの周辺国家の利益も脅かし、地域の戦略的均衡を破壊し、この地域をさらに不安定にさせました。この問題に関して、中国はロシアと外交と政治上で非常に良好な協力関係にあります。韓国の「THAAD」導入は災いを招くだけで、百害あって一利なしです。もし日本が「THAAD」を導入したとしてもまったく得をしないばかりか、意味もないと思います。

         人民中国インターネット版2017年3月7日 

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