黄友義委員:「一帯一路」沿線諸国に関連する外国語人材の育成は二つのステップで

文=王朝陽 写真=王焱

 

「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」の提唱の発展を推進するための基礎は民心の意思疎通だ。国民の間の相互理解と切り離すことはできない。「一帯一路」沿線諸国の公用語は60種類余りに上る。コミュニケーションの懸け橋として、英語などメジャー言語以外の外国語人材の要員や育成の状況はどうなっているのか? 翻訳協会はこの分野でどのような提言があるのか? 『人民中国』記者が全国政協委員、中国翻訳協会副会長の黄友義氏に聞いた。

 

――多くの「一帯一路」沿線諸国は、地理的には中国から遠くありませんが、残念なのは、われわれがこれらの国についてあまり理解していないことです。これらの国の文化や歴史、古典文学作品について言う場合、往々にして西欧諸国のそれのようにすらすらと数え上げることはできません。この背後にある原因は何だと思われますか?黄友義 原因は二つあります。一つは、われわれの発展段階と関係しています。以前、われわれは主に西側の先進国から技術や経済管理の理念、科学技術、文化を取り入れていました。「一帯一路」の提唱が打ち出された後、やっと沿線諸国に注意を向け始めたのです。もう一つは、これら沿線諸国の大部分が先進国ではなく、文化発信の分野で途上国は西欧諸国と比べて弱い立場にあることが挙げられます。そのため、これらの国々も実際は課題に直面していて、それはつまり、どのようにより積極的により多く海外に向けて自分たちの文化を紹介するかということです。その紹介の力不足も中国が沿線諸国についてあまり理解していない現状を招きました。 しかし現在、わが国によるこれらの国々の著作の翻訳はすでに日程に上っています。私が知る限り、多くの出版部門が沿線諸国の文学作品を大量に翻訳しています。私が思うに、今急いで翻訳が必要なのは古典文学だけではありません。彼らの文化や伝統もそうです。全面的な理解ができてこそ、より良い「民心の意思疎通」が実現するのです。 そこでまた言葉の問題になります。沿線諸国の公用語は60種類余りあり、英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語などいくつかの言語のほかは全て使用地域が狭い言語です。しかし、わが国でこれらの言語を習得している人材はとても少ない。ネパール語を例に挙げると、ネパールは隣国ですが、1990年代以降、わが国ではネパール語のまとまった人数の人材を育成しておらず、交流の際は英語を使っています。昨年、20人余りのネパール人記者が来訪し、われわれの関係部門が彼らに中国の国情を理解するための研修を実施した時、ネパール語で両国の友好関係史を紹介しようと人材を探しましたが結局見つからず、やはり英語で紹介することになりました。

 

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