黄友義委員:「一帯一路」沿線諸国に関連する外国語人材の育成は二つのステップで

 

――このように突然現れたマイナー言語の人材不足の問題について、中国翻訳協会はどのような意見や対策を考えていますか?黄友義 翻訳協会は一貫して合理的にそのような外国語人材を育成しようと呼び掛けていますが、どっと押し寄せるように行うことはできません。なぜなら、マイナー言語の外国語人材にはいくつかの制約があるからです。例えば、中国と使用地域が狭い言語を使う国との間の関係です。関係が良好なときは、国家間の交流プロジェクトが多く、外国語人材が役立ちますが、その国の政治体制あるいは政策の大きな方向に変化が起こると、プロジェクトは減少し、外国語人材は失業に直面することになります。そのため、彼らはメジャー言語も習得しなければならず、そうすることでやっと生き残れます。しかしそうすると、マイナー言語の専門家育成にはさらに時間も労力もかかることになります。 実際のところ、人材不足の現状に関して、われわれは二つのステップに分けて解決することができます。一つ目は、メジャー言語を学んだ外国語人材にマイナー言語を学ばせる方法です。例えば、英語科出身者にネパール語を学ばせる。こうすれば、ネパール語の用途が少ないときでも、彼らが失業することはありません。二つ目は、沿線諸国の人材に中国語を教える方法です。またネパール語を例に挙げると、現在、北京や四川、チベットでは多くのネパールの若者が中国語を学んでおり、そのうち大部分は中国政府が提供する奨学金に頼っています。ですから、わが国の政府は資金を出して、外国の若い研究者を呼び込み、彼らが中国語を学び、中国を理解するように育成することができます。これも「一帯一路」のために翻訳人材を蓄えることになります。

 

――現在、ほかにもある現象が起こっていますが、それはマイナー言語を学んだ学生が就職するとき、専門と関係のない仕事を選ぶということです。この件についてどう思われますか?黄友義 若者が職業として翻訳を選ぶことは少ないのですが、その大きな原因は家族を養えるほどの収入を得られないからだと思います。実際のところ、翻訳は一種の再創作で、だれでもできるものではなく、ハードルは低くなく、外国語ができることは単に翻訳の基礎があるに過ぎません。しかし、世の中では翻訳の価値が十分に認識されておらず、外国語ができる人は翻訳もできると誤解されています。でも、物事には何でも過程があります。政府が翻訳を専門学科に加えて、大学で専門の翻訳人材を育成し始めてから、まだ10年ほどです。翻訳の価値に対する社会全体の認識は始まったばかりだと思います。 中国翻訳協会は翻訳の質の評価において、今年、優秀翻訳人材の名誉称号を打ち出し、青・中年者層を対象に評価を行う予定で、関連規定・条件がほどなく発表されるはずです。この評定の目的は社会にどのような翻訳が良い翻訳なのかを知らせ、翻訳の価値に関する人々の認識を促進することにあります。

 

人民中国インターネット版 2017年3月9日

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