中国「貧困脱却」の基準制定 貧困人口を農村人口の2%以下に

 

中国国務院貧困者支援開発指導グループ弁公室の劉永富主任は先ごろメディアに対し、「貧困人口の貧困脱却には2つの憂いを無くし、3つの保障を達成する必要がある。2つの憂いとは衣食に対する憂いで、3つの保障とは義務教育、基本医療、住宅の安全における保障だ」と語り、「1人あたりの平均収入が5000元(1元は約16.6円)であったとしても、子供1人が大学に通う場合、1年間で2~3万元を必要とするため、この収入ではとても無理だ。もし家族の1人が重病になった場合、その治療には3万から5万、深刻な場合は8万から10万元は必要となり、貧困脱却の基準に達していたとしても、決して貧困を脱却したとは言い切れない」と語っている。人民日報が伝えた。

今年の政府活動報告には貧困脱却事業責任制を着実に徹底し、最も厳格な審査評価を実施するほか、成果の虚偽報告や水増しなどを厳しく取り締まり、、貧困脱却事業が人々に認められ、時の試練に耐えうるようにしなければならないとしている。

中国の貧困脱却という難関を突破する任務は非常に重い。貧困地区をサポートするため、中国は基準を設定し、基準を下回る地区は国が重点的に支援する貧困県としてリストアップされる。「貧困のレッテルをはがす」というのは、つまりこの貧困脱却の基準に到達することを意味する。中国政府は「貧困脱却」における必須基準として、その地区の貧困人口が農村人口総数の2%以下まで減らすこと、としている。今年2月末、江西省井岡山市は「貧困のレッテルをはがす」申請、つまり貧困県リストからの削除を申請した。国務院貧困者支援開発指導グループは第三者によるアセスメントを手配し、昨年貧困を脱却したとされる貧困人口80%が照合され、ここ数年の間に貧困を脱却されたとされる貧困人口の3分の2が照合された。その結果、総合的な貧困発生率は1.6%とされ、同時に抜き打ち調査をした人々のうち90%以上が貧困脱却の成果を認めた。これら一連の厳格な審査評価プロセスを経て、劉永富主任は井岡山市の貧困脱却は「時の試練に耐えうる」と判断したということだ。

また一部の地方の人々が、貧困支援政策を享受できなくなることを恐れ、「貧困のレッテルをはがす」ことに消極的である問題について、劉主任は貧困脱却の難関を突破するまでの間、「貧困のレッテルをはがす」ことを達成したか否かに関わらず、貧困支援政策に変更はなく、人々が享受できる政策もまた基本的に変わるものではないと中央政府は何度も強調しているとした。そして、「その目的はしっかりした成果のためであり、貧困脱却の質を保証し、再び貧困に陥ることを防止するためだ」とした。

2016年、中国の貧困人口は1240万人にまで減少し、年度目標任務を超える成果をあげた。今年の政府活動報告には、さらに農村の貧困人口1000万人以上を減少させるとしている。全国政協委員で国務院貧困者支援開発指導グループ専門家諮詢委員会の范小建主任は、「現在、中国にはまだ4300万人以上の貧困人口が存在し、2020年には農村の貧困人口の貧困脱却目標の達成を実現し、それまで毎年少なくとも1000万人以上の貧困脱却を実現しなければならない」とした。(編集TG)

「人民網日本語版」2017年3月10日



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