外貨準備高は3兆ドル台を回復し、越境資金流動の重圧を継続的に軽減できるか

  両会(全国人民代表大会、全国政協会議)期間に、クロスボーダー(越境)資金流動がホットトピックの一つとして注目を集めた。国家外貨管理局は7日、2月の外貨準備高規模について、中国の外貨準備高は3兆ドル台を回復し、7カ月連続で減少した後で増加に転じたと発表した。今後にかけて、外貨準備高は引き続き増加傾向を維持し、越境資金流動の重圧を軽減できるのだろうか。

 

外貨準備高が増加し、市場予測が好転

 「69億ドル増加しただけだが、市場予測は好転した。」と全国人民代表大会代表で、外貨局浙江省分局の殷興山局長は述べた。殷興山局長「外貨管理部門は嘗て開かれた窓は再び閉じることがないという明確な姿勢を示したことがある。外貨管理政策は企業の海外投資にとって依然として有利と言える。」と述べた。

 多数の専門家も中長期的に見ると、中国経済が安定し、外貨の需給バランスが良くなるにつれて、人民元の為替レートは均衡で合理的な水準において双方向に変動し、外貨準備高が増減することが常態化するとの見方を示した。

 

外貨管理を強化し、外貨詐欺を厳格に取り締まる

 全国政治協商委員で、清華大学経済管理学院の白重恩副院長は次のような見解を示した。国内外で複雑な形式がある現状において、外貨準備高はリスクに十分に対応し、将来的に大幅に減少する可能性を回避する必要がある。外貨管理をある程度、強化することは、越境資金流動リスクを防止する重要な手段になる。

 外貨管理部門は近年、企業と個人の外貨使用の真実性に対する審査を強化している。全国政治協商委員で、清華大学の李稻葵教授は、住民による外貨受け取りが以前までの外貨準備高減少の主因ではなく、多数の外貨が流失したのは、非正規ルートを通じてであるため、外貨詐欺行為を厳格に取り締まるべきで、特に一部の不法輸出入企業への打撃を強化する必要があると述べた。

 

外貨準備高は合理的な変動の「ニューノーマル」に突入

 外貨局関係責任者は中国経済の成長エネルギーがより一層、増強するにつれて、越境資金流出の圧力は緩和されるが、国際金融市場の不確定性は依然として強く、外貨準備高規模は変動しながら徐々に安定する可能性が高いと表明した。

 「昨年は中国経済の成長率は6.7%を維持し、今年もはさらに6.5%前後の成長率予測目標を掲げている。これほど高い成長率は世界の主要経済体においてトップクラスで、人民元の為替レートと外貨準備高の安定を維持する基盤になっている。」と殷興山代表は語った。

 

(新華社より)

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