司法体制改革 2017年も腐敗取締まりに「ゼロ容認」

12日、中国司法体制改革の風向きを読む「風見鶏」とみられている最高人民法院、最高人民検察院の年度活動報告がそれぞれ第12期全国人民代表大会第5回会議に提出され、審議に付されています。この二つの報告書は、これまでの一年における官僚の腐敗取り締まりの総括をすると同時に、「2017年も取り締まりの度合を決して弱めず、腐敗には『ゼロ容認』の姿勢を貫いていく」と表明しました。

最高人民法院の報告書によりますと、これまでの一年、各レベルの法院で判決された汚職、贈収賄関連事件は4万5千件、6万3千人に上り、被告には閣僚級以上の官僚35人、局長クラスの幹部240人が含まれています。

こうした「トラ退治」、「ハエ叩き」と呼ばれている腐敗官僚への取り締まりのほか、海外逃亡中の汚職官僚の摘発を目指す「猟狐(キツネ狩り)」や「天網」行動にも力を入れてきました。これまでの一年、37の国と地域から職務犯罪容疑者164人の送還を実現しました。このうち、国際逮捕手配書(赤手配書)の中の最重要指名手配犯27人も含まれているということです。

中国共産党第18回全国大会以降、冤罪事件の是正も司法改革の重要な課題となっています。去年末、21年前に強姦殺人罪で、21歳で処刑された聶樹斌事件に無罪判決が言い渡され、聶樹斌の存在は中国の法律進歩の道のりに深く刻まれました。今回は二つの報告書のいずれにも「聶樹斌事件」に関する記載がみられました。

また、90万人もの被害者が出たとされるインターネット不法金融「e租宝(Ezubao)」及び徐翔容疑者による株式市場操作など経済・金融分野での犯罪も社会の注目を集めました。これに対して、最高検察院は報告書の中で「2017年は法治の保障的役割を発揮させて、経済の持続可能な発展を促していく」としました。

ところで、判決が言い渡された後、なかなか執行できない「執行難」がかねてより中国の難題でした。最高人民法院はこれに対して、「執行難に全面的に宣戦布告する」と意気込みを見せ、「2年から3年ほどの時間をかけて、執行難という問題の基本的解決を目指す」という目標を重ねて強調しました。

2017年は中国における司法体制改革の全面深化に向けた決戦の年として位置づけられています。12日に提出された二つの報告書はいずれも、引き続き司法責任制改革を推進し、司法の品質、効率と大衆の信頼度を向上させ、すべての事件において、人々に公平と正義を感じてもらえるよう努力していく」と強調しました。(Yan、星)

 

中国国際放送局日本語部より

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