ボアオフォーラム事務局長「グローバル化は後退不可」

 

ボアオ・アジアフォーラム2017年度年次総会が23日から26日にかけて、海南省ボアオ(博鰲)で開催される。今年の年次総会はグローバル化というテーマをどのようにデザインするだろうか。65件のイベントの議題設定にはどのような特徴があるか。同フォーラムはアジア地域の経済一体化と自由貿易をめぐりどのような努力を重ねてきたか。周文重事務局長がこのほどインタビューに答えた。新華社が伝えた。

▽グローバル化は「是非を明らかに、正確な理解を」

アジアと新興エコノミーの主要な対話プラットフォームの一つである同フォーラムは、今回のテーマを「グローバル化と自由貿易の未来に向かって」と確定した。

周事務局長は、「グローバル化に逆行する考え方が台頭し、グローバル化が挫折を迎えることを背景として、毎年1回行われるボアオフォーラム年次総会を通じて、グローバル化の是非を明らかにし、正確な理解を進め、より包容力に富んだ新しい考え方、新しいモデルによって、グローバル化に対する人々の情熱をかき立てることが必要だ」と述べた。

周事務局長の見方によると、「経済グローバル化は世界の生産力が発展していく際の客観的な要求であり、科学技術が進歩する時に必然的にもたらされる結果であり、過去数十年間、経済グローバル化はグローバル経済の成長を力強く推進し、また世界規模で貧困撲滅プロセスが絶えず進展するよう持続的に推進してきた。だが経済グローバル化は一連の新たな問題も引き起こした。成長と分配、資本と労働、効率と公平性、こうした市場経済に固有の内在的矛盾が国レベルで、さらには世界レベルで以前にも増して突出するようになった」という。

周事務局長は、「こうした構造的矛盾の根源は、経済グローバル化そのものにあるのではなく、現行のグローバルガバナンス体制と世界の経済局面の深いレベルでの変化とがうまく対応しなくなったためにもたらされた。反グローバル化の措置を執っても、こうした構造的矛盾を解決できないだけでなく、さらにはグローバル経済の成長がより大きな問題に直面する事態を招くことになる」との見方を示した。

周事務局長の指摘によると、「昨年12月にオーストラリア・メルボルンで開催された同フォーラムの国際会議では、『グローバル化の未来』をテーマに、重要な共通認識に達した。1つは、グローバル化は周辺に追いやられたり、利益が損なわれたりしている人々に手をさしのべるものであり、より大きな包容力を備えるものであること。もう1つはグローバル化の基本原則と積極的側面は十分に肯定できるもの、堅持すべきものであり、後退してはならないということだ」という。

▽政治・ビジネスイベントはグローバル化のテーマに寄り添う

今年のフォーラムはグローバル化、成長、改革、ニューエコノミーの4ブロックに分かれ、開幕式、全体総会、44の分科会、17の円卓会議、2つのテーマ食事会などの各種イベントや相互連動型の話し合いなど全65のプログラムで構成される。

周事務局長は、「先進国と新興エコノミーがグローバル化にどのように対応するかが、年次総会全体を貫く主軸になる。ボアオ・アジアフォーラムは非政府系の国際会議組織であり、今回の年次総会はこれまでの政治とビジネスの対話という目立った特徴を引き継ぐものとなる。政府レベルでは、6カ国の指導者、国際機関の代表や各国の閣僚クラスら82人が参加する予定だ」と述べた。

また周事務局長は、「彼ら指導者・代表・閣僚らは開幕式や全体総会などの正式な場面で、グローバル化や自由貿易に関する政策的立場や主張を述べるものと予想される。また60を超える分科会や非公開の会合での話し合いに参加することも予想される。小規模な座談会、1対1での会談などの方法で、1人を超える企業家たちと顔の見える交流を行うことも考えられる」と述べた。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年3月23日

 

 

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