ボアオ・アジアフォーラム、「一帯一路」建設が地域経済協力をけん引

 

脱グローバル化の動きが台頭するなか、アジアの地域協力がみどころとなっている――。これは3月22日に開かれたボアオ・アジアフォーラム学術発表会で得た重要な情報だ。発表された「アジア経済一体化報告」「新興経済体報告」「アジア競争力報告」の3つの学術報告では、「先進国がアジア諸国の生産能力の低下を受け入れつつあるなか、アジアの地域経済の発展をめぐる先進国への依存度は徐々に低下している」との見方が示された。また、「一帯一路」の建設はアジア経済体の域内協力を促し、アジア経済の一体的発展を加速させたとしている。

◆「一帯一路」は沿線の人々に幸福をもたらす

現在の淀んだ貿易保護主義と鮮明に対比をなすのが、アジアの地域経済協力の新たな動きだ。「一帯一路」建設を目指すなかで、中国の発展構想が沿線諸国の発展の願いと結び付き、一連の地域経済協力の流れが生まれつつある。中国・パキスタン経済回廊やバングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊がその例だ。これらはすなわち中国と関連諸国と推し進めようとしている地域経済協力であり、「一帯一路」建設のもたらす地域協力プロジェクトである。

インフラの相互接続は「一帯一路」沿線諸国の経済貿易と人や文化の往来を促した。「一帯一路」は6つの経済回廊を通じて、鉄道・道路・海と空の航路から成る立体交通網と送電網、通信網、石油ガスパイプライン網を織り成す。それは生産要素の流通を促し、沿線諸国の経済貿易と交通の流れを円滑にした。「一帯一路」構想が提起されてから3年、中国企業は数十件の海外大型交通インフラプロジェクトの建設を請負った。中国企業は重要チャネルや港湾建設を手がけ、沿線の発展途上国の交通インフラ整備に力強く寄与してきた。「中欧班列」(中国・欧州間の定期貨物列車)の開通で、アジアの各地域とアジア・欧州を結ぶ交通ネットワークが徐々に整備された。電気通信分野では、複数の国際的な陸上光ケーブルが整備され、中国とロシア、中央アジア、南アジア、東南アジアの地域間の通信の利便性が大きく高まった。各方面の努力により、「一帯一路」建設は勢いよく発展しつつある。反グローバリゼーションをめぐる論議が渦巻く中、「一帯一路」建設の成果は人々に気づかせてくれる――。グローバル化は互恵協力の形で発展を深め、それぞれに発展の恩恵をもたらし、沿線諸国の人々に幸福をもたらすことを。

◆域内における市場協力が盛んに、アジアの地域経済一体化は加速

先進国の経済戦略調整によるネガティブな影響に対応するために、アジアの国々は相次いで自身の経済協力戦略を提起し、国境を跨いだ市場協力拡大と、経済成長を推し進める方針を示した。モンゴルの「草原の道」(ステップロード)計画、インドの「季節風(モンスーン)行動」計画、トルクメニスタンの「大シルクロード復興」構想、韓国の「欧州アジア構想」、ベトナムの「両廊一圏」(2つの経済回廊と1つの経済圏)構想などは、「一帯一路」と高度につながっている。これらはインフラの相互接続を通じて自国の生産要素の組み入れ範囲拡大を狙うもので、生産効率の向上と経済発展促進につながる。双方の発展戦略が合致したことで、余剰生産能力の消化や、生産要素の国際産業チェーンへの移転が推進され、アジア域内における市場協力の流れを形成したといえる。

専門家は、アジアの地域経済の一体化はすでに加速傾向にあると指摘する。昨年は、中央アジア、西アジアの国々が中国との経済協力を強化し、経済一体化交渉を進めたほか、中東欧16カ国も「一帯一路」の呼びかけに応え、中国との経済連携を強化している。南アジアでは、インドがインド洋沿岸諸国の経済統合を強化し、「季節風行動」を推し進めた。中印両国の自由貿易協定交渉も実行可能性の検証が始まった。アジアの地域経済一体化は、「一帯一路」建設と欧州・アジア経済連盟を基本的な枠組みとしており、多方面からの国境を跨いだ協力がより深まりを見せつつある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月24日

 

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