供給側性改革が中国経済の新展望を描く ボアオアジアフォーラム |
国内経済が新常態(ニューノーマル)に入り、国際経済が錯綜する複雑な状況下において、供給側構造性改革の推進が現在或いは未来に必要な中国経済の発展と経済活動の主要内容となる。 「供給側構造性改革を如何に理解するか。改革を推進する根本的な方法は何か」、ボアオ・アジアフォーラム2017年年次総会の「角度を変えて経済を見る―供給側の展望」と題する会議において、多くの経済専門家がこの話題について討論を展開した。 改革によって市場ニーズを充足させる 「全世界の需要は弱含みの状況を呈している。中国は内需の増加を追求し始めた。中国は改革を通して、この転換を実現させる能力がある」。 WTO(世界貿易機関)の主席エコノミスト、ロバート・クープマンから見ると、中国の供給側構造性改革は過去の外需駆動経済から内需駆動経済への転換過程である。 中国元対外経済貿易部副部長の龍永図氏は、「ある程度の景気刺激策を通して需要を高めた後、消費者ニーズの変化に応じて供給側製品の品質を保障することが必要となる。これは中国の供給側構造性改革が目下すべきことである。龍永図氏はこう述べている、「もしお腹がすいた人がいるとする、しかし、食べたい物がなく、食べたくない物が大量にある、こういう状況には問題が生じる」 「国内の需要は大きい。しかし、生産能力が十分とは言えないため輸入製品を使わざるを得ない」。北京大学の国家発展研究院名誉院長の林毅夫氏はこう説明する。「去年中国の製造業産品の輸入額は1.2兆ドルに達した。このことは国内需要が大きいことを物語っている。しかし、国内で需要を満足させる製品が生産できない、そこで輸入することになる」。 革新をもって供給の不足を補う 不足を補うことも供給側構造性改革の重要な内容である。生産サイドから言って、供給側生産能力にどのような不足が存在するのか。 「製品の種類から言うと、中国の供給側生産能力は工業製品に比較的強く、消費財特に高度な消費財は比較的弱い」と清華大学蘇世民書院院長の李稲葵氏は話す。 ブランド力と市場マーケティングの不足が、やはり国内製品の品質に影響を与える大きな要素になっている。中国の生産能力と技術は比較的強いと言えるが、機械、橋の建設、高速鉄道は比較的強いが、便座などの製品に至っては外国製品に及ばない。この一つの原因としてブランド力と市場マーケティング力の不足が挙げられる。 この欠点をどうするか、龍永図氏は、「供給側構造性改革の中で革新の重要性は誰でも認めるところである。革新は供給側構造性改革全体の中の重要な手段であり、革新ができさえすれば、改革は成功したと同じだと考える」とした。 これについて、李稲葵氏は、「我々は市場の面の革新には事欠かない。例えば近年のネット経済や企業の革新など非常に多い。現在の主要な不足は制度の革新である。全体メカニズムの革新の不足が手足を縛っている。制度の革新が現状の突破口を作り、そうして初めて技術とビジネスモデルの革新を牽引することができる」と述べ、制度の革新は経済体全体の革新能力向上の鍵であるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月27日
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