バクザン窒素肥料工場:中越企業が「一帯一路」に友好の新たなページを刻む

                      

沈暁寧=文

取材を受ける中国五環工程有限公司の周耀青・上級プロジェクトマネージャー(写真・沈暁寧)

ベトナム首都のハノイ市北東部から50㌔離れたところにあるバクザン市はバクザン省の省都だが、数年前まではタクシーさえなかった。近年、中国企業による投資、特に「一帯一路」イニシアチブの下で中国とベトナムの企業が協力を展開したことによって、地元の経済成長を加速させた。現在のバクザン市はベトナム北部における重要な工業団地と物流拠点となりつつある。

この過程で、中国企業が請け負ったバクザン窒素肥料工場の改造・拡張プロジェクトは優れた手本となっただけでなく、中越友好から生まれたこの工場が両国の協力・ウインウインの光を今日になって輝かせた。

友好の「常緑樹」が互恵・ウインウインの果実を実るように

1960年代に中国の支援の下でベトナムに初めてできた化学肥料工場がバクザン窒素肥料工場だった。以降、この工場はベトナムの窒素肥料生産における重要な支柱とされてきた。半世紀に及ぶ運営の中、この工場は常に中国と緊密な関係を保っており、中越友好のシンボルとなった。

2000年から02年にかけて、工場は技術の遅れによる赤字問題を解決するために、中国企業と協力して技術改良を行った。「中国の設備と技術を導入すると、工場は正常運営に戻りました」と、当時の改造プロジェクトに携わった中国五環工程有限公司の周耀青・上級プロジェクトマネージャーは振り返って話した。

8年後、周さんは再び中国の技術・工事チームを率いてバクザン工場にやって来て、この古い工場を新たに飛躍させた。ハノイ市内にある中国機械輸出入グループのベトナム事務所で、周さんは今回の経験を話してくれた。「08年に私たちは中国機械輸出入グループとベトナム化学工業設計院と共同でバクザン窒素肥料工場の改造・拡張プロジェクトに入札しました。このようなプロジェクトについて豊富な経験を持っているため、入札金額は他の海外のライバル企業より優位にあり、しかもベトナム側と協力した経験もあって信頼関係を築けているため、10年10月7日に私たち三社による共同企業体が落札できました」。5年近い努力によって、ベトナム側が3億9500万億㌦を出資し、中国側が工事を請け負ったこのプロジェクトは15年4月10日に完成した。

改造・拡張された工場は先進な石炭ガス化技術が使用されているが、ほとんどの技術と設備は中国から導入されている。周さんの説明によると、改造された古い生産ラインの尿素生産量は年間18~20万㌧に達し、年間生産量30~32万㌧の新しい生産ラインを加え、工場全体の生産能力は50万㌧の目標を実現した。特筆に値するのは、中国五環工程有限公司と中国機械輸出入グループは11年に再び共同で、窒素肥料の年間生産量が130万㌧に達するカマウ化学肥料工場の建設工事を請け負ったことがある。ここはベトナムで最も大きく、最も先進的な化学肥料工場で、ベトナムのグエン・タン・ズン前首相に「ベトナム最高の化学工業工場」と評価されたこともある。改造・拡張されたバクザン窒素肥料工場の稼動に伴い、ベトナムは窒素肥料の自給自足を実現しただけでなく、周辺国へ輸出する能力を持つようになった。

「設計と工事において、中国の一流技術を使用した他、ベトナム側と協力して国際的な先進技術を導入しました」と周さん。この2年、バクザン窒素肥料工場は生産能力が向上した一方、環境保全水準もますます高まり、技術と設備は世界一流に達した。

今回の協力において、ベトナム側は窒素肥料生産について画期的な進歩を実現した他、中国側も収穫があった。周さんは、海外でプロジェクトを行うことは海外諸国が中国の技術を知って、信頼することにつながり、中国企業と中国資本が国際市場に進出するためにより多くのチャンスを生み出すものとなると考え、このように述べている。「弊社の年間営業収入は50億元近くありますが、業務の大部分は海外で行っています。ベトナムが健全かつ急速に成長するよう期待するとともに、中国企業がベトナムの建設事業に貢献し、両国間でウインウインの局面を形成することを願っています」。

 

 

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