安心して過ごせる観光地をつくる

 

三亜観光の国際化を促進

 三亜は中国国内で唯一の熱帯臨海観光都市だ。太陽と砂浜、澄み切って底まで見える海、熱帯林の鍾乳洞、輝かしい少数民族の文化など、東南アジアのいくつもの国を回って得られる旅行体験が三亜だけで十分に味わえる。このほか、注目を集めるミス・ワールド世界大会、勇気と情熱を象徴するボルボ・オーシャンレース、至る所に分布する五つ星ホテルなど、多様な魅力によって、三亜は観光客が押し掛ける観光スポットとなっている。 

三亜はその魅力的な熱帯の海浜の風景により、何度もミス・ワールド世界大会の会場になり、青春の輝かしい雰囲気が増してきた(CFP)

 

関連データによると、16年の上半期、三亜市を訪れて宿泊した観光客は延べ781万7300人で、前年同期比で8・92%増加した。そのうち、入境観光客は延べ19万2000人で、前年同期比で13・63%の増加。三亜市全体の観光収入の総額は145億3900万元に達し、前年同期比で15・25%の増加だった。三亜市旅游発展委員会の樊木主任は次のように話す。「三亜の目標は国際化した観光ブランド都市です。入境観光客はわれわれにとって非常に大切なターゲットグループです」。16年上半期に三亜を訪れた入境観光客の統計のうち、香港地区、台湾地区、ロシア、韓国、米国の観光客がトップ5だった。日本からの観光客も3000人余りいて、順位は9番目。「日本人観光客は世界経済の状況の影響が比較的小さく、この数年、緩やかな増加傾向を保っていますが、総数としては十分に多いとはいえません」。さらに樊主任は「日本と韓国の市場に向けて、われわれはゴルフと健康・養生の旅行商品をお薦めしています。もっと多くの日韓の観光客の皆さんに三亜に来てもらいたいですね」と語った。 

三亜市旅游発展委員会の樊木主任
 

豊富な旅行商品のほか、快適で安心できる旅行環境をつくるのも三亜市が近年、国内外の観光客を引き付けている重要な取り組みだ。15年9月、三亜市は「12301観光サービスホットライン」を開設し、電話やショートメッセージ、微信(ウィーチャット、中国版LINE)、電子メール、ホームページなど数々の方法で24時間、市民と観光客から旅行に関する問い合わせやクレーム、通報を受け付けるようにした。外国人観光客のニーズを考慮し、英語や日本語、韓国語、ロシア語など外国語専用回線も設置。同年10月、三亜市はさらに全国で初めて「観光警察」チームをつくった。道案内から落し物探し、ゆすりや恐喝の取り締まりまで、三亜の観光に関係することなら何でも「観光警察」が対応して解決する。旅行市場の秩序と旅行の治安環境を守り、観光客に安全の保障とサービスを提供する面において、プラスの効果を発揮している彼らのおかげで、観光客は安心して三亜でバカンスの時間を楽しめるのだ。 

安心して過ごせる観光の環境をつくるため、三亜観光警察がしっかりとパトロールしている

 

科学技術による観光の新形態

 

三亜に行ったら、どの観光スポットを選んで、どのように合理的な観光ルートを手配したらいいのか? 事前にしっかり準備をしていなくても、心配する必要はない。三亜市民観光客センターという良い場所があるからだ。15年9月、1年余りの工事を経て、免税店跡地に同センターは建てられた。三亜観光の新しい姿を示し、同地観光の「ワンストップ」サービスにプラットホームを提供している。

 三亜市民観光客センターに入ると、「数字で見る三亜」という巨大なスクリーンに特に目を引かれる。スクリーン上では、三亜を中心に、バーチャルの飛行機が離陸や着陸をしている。同センターは三亜鳳凰空港とリアルタイムにつながっており、現在三亜にいる観光客の男女構成、主な出発地の情報、年齢構成など、到着した観光客の最新情報をビッグデータを通じて分かりやすく示すことができるのだ。スクリーンの右下には、グルメの人々が最も注目する海鮮の価格情報がある。物価局とリアルタイムにつながっているため、三亜の当日の主な海鮮の最高値をスクリーンで流すことができ、観光客が安心して楽しめるようになっている。このほか、センターには観光地のリアルタイム入場者数を表示するスクリーンもある。観光客は行きたい観光地の今の入場者数と最高入場者数を調べて、出掛ける時間を自分で決め、旅行の快適度を上げることができる。センターまで行かなくても、これらの実用的な情報はホームページや微信の公式アカウントでいつでも確認することが可能だ。

 観光客体験エリアでは、着席型のVR(バーチャルリアリティー)技術を使って三亜の魅力を体験できる。天涯海角や大小洞天、南山といった三亜を代表する美しい景色を低空飛行のドローンで空撮し、360度の全角度で再現。太陽、砂浜、海、ヤシの木、クルーズ客船の港、遊覧船乗り場の全てがとにかくリアルで、まるで自分がその場所にいるかのようだ。河北から来た観光客の李さんは、体験した後で次のように感嘆していた。「一歩も外に出ずに三亜の美しい景色を見られるなんて、本当に面白くて心のこもったサービスですね」 

着席型のVR機器を体験している観光客

 

 

 

 

 

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