謝爽＝文

　ベラルーシのルカシェンコ大統領は先日、首都ミンスクの大統領府インディペンデンス・パレスで中国メディアの合同インタビューに応じ、「一帯一路」イニシアチブには歴史的意義があり、世界経済に新たな成長点を作り出すと述べた。

　ルカシェンコ大統領は習近平国家主席と二国間会談を行い、経済・貿易や投資、金融、人的・文化的分野で協力を推進する重要な問題について意見交換し、両国の全面的な戦略パートナーシップをいっそう推し進めていくことを明らかにした。

「全天候型の友好」成果強調

　２０１７年は中国とベラルーシの国交樹立25周年で、ルカシェンコ大統領は両国関係の発展を高く評価している。両国の友好は伝統があり、政治や経済、人的・文化などの分野で協力の成果が著しく、「全天候型の友好」だと指摘した。

　今年上半期、ベラルーシは国交樹立25周年の枠組みの下、ベラルーシ＿中国科学技術協力シンポジウムなどのイベントを相次いで開き、両国の国章のデザインを題材とした記念切手を発行した。今年４月、張徳江・全国人民代表大会（全人代）常務委員会委員長はベラルーシを正式に親善訪問し、全人代とベラルーシ国民議会の協力に関する共同声明に署名した。

　ルカシェンコ大統領は、国交樹立25周年の祝賀活動と「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの意義は大きく、両国の協力関係を深めるのに役立つだけでなく、同時に両国の全面的な戦略パートナーシップの発展を推し進めるだろうと指摘した。

　また次のように強調した。「一帯一路」イニシアチブの実施過程で中国は自らの善意を示し、沿線国に融資と先進技術を提供していながら、自国の利益のために不利益を他国に押し付けたり貿易を拡張したりしていない。これは世界でもまれなことだ。

中国と共同で建設した「グレートストーン」工業パーク（写真・謝爽／人民画報社）

世界の最先端企業を誘致へ

　記者はベラルーシ取材中、「一帯一路」建設のシンボル的プロジェクトである中国＿ベラルーシ・グレートストーン工業パークプロジェクトが現在着実に進んでいることに気付いた。すでに第１期インフラ建設は基本的に完成している。

　ルカシェンコ大統領はグレートストーン工業パークに触れた際、次のように述べた。「一帯一路」上の要衝として、工業パークは世界の最先端企業を集め、ベラルーシ側に５００億㌦（約５兆６８２４億円）の外貨収入をもたらすと見込まれる。このため、ベラルーシ側は工業パークに大きな期待を寄せており、より多くの投資企業の入居を引き寄せるよう望んでいる。

　同パークはミンスク国際空港付近に位置し、計画面積は91・５平方㌔。ベラルーシの企業誘致と資金導入における最大のプロジェクトで、中国︳ベラルーシ間で最大の経済技術協力プロジェクトでもある。同パーク管理委員会のヤロシェンコ主任の説明によると、計画目標に基づき、工業パークは将来２００社以上のハイテク企業の入居を引き寄せ、就業人口は12万人を超え、総人口20万人に達する国際的な空港ニュータウンを形成するという。

　ベラルーシはユーラシア経済連合（ＥＥＵ）加盟国であり、グレートストーン工業パークの入居企業の製品はロシアやカザフスタン、アルメニア、キルギスの市場に免税で輸出できる。また欧州連合（ＥＵ）や他の共同体の加盟国市場に幅広く入り込むことができ、市場拡大の潜在力は極めて大きい。工業パークは電子情報、機械製造、精密化学、新素材、バイオ医薬品、貯蔵物流の６大産業を重点的に引き入れると中国―ベラルーシ工業パーク開発株式有限公司の李海欣総経理は明らかにしている。

　「一帯一路」における中国とベラルーシの経済協力では、吉利（ベラルーシ）汽車（自動車）有限公司も注目のポイントになっている。ベラルーシのミンスク州ボリソフ市にあるこの企業は英語名をベルジー（BＥＬＧＥＥ）といい、中国語では「白俄吉」と略称される。

　「一帯一路」イニシアチブの絶え間ない推進に伴い、吉利（ベラルーシ）汽車有限公司は新たな展開を見せた。17年７月、１４００ムー（13・86㌶）以上の敷地を持ち、３億㌦（約３３９億円）超を投じた新工場が正式に操業を始めたのだ。

中国との合弁企業である吉利（ベラルーシ）汽車有限公司の製造ライン（写真・謝爽／人民画報社）

二国間関係のブースターに

　ルカシェンコ大統領はインタビューで次のように強調した。両国の地方協力の潜在力は非常に大きく、国家レベルの各合意を実行する有益な補助、二国間関係発展を推し進めるブースターになる。

　対中貿易方面では、ルカシェンコ大統領は特にベラルーシの農産物を推薦した。多くの農産物加工会社も対中輸出に非常に大きな関心を持っている。ちょうど先日、ベラルーシ産ミルクが初めて中欧班列（中欧定期貨物列車）を通じて武漢などの地域に輸出された。これも両国の地方協力が成功した試みの一つだ。

　経済貿易分野の他、両国と両国の人々は人的・文化的分野でも幅広く掘り下げた交流と協力を進め、非常に豊かな成果を勝ち取っている。

　５月３日、第21回ベラルーシ国際メディア展がミンスクで開幕した。中国はこのメディア展の主賓国で、外文出版社の『習近平　国政運営を語る』や人民画報社のロシア語版雑誌『中国』などの出版物がベラルーシ国立エキシビションセンターにお目見えした。ベラルーシのアナニキ情報相はあいさつの中で、ニュースメディアや出版などの分野における両国の交流は相互理解の強化と人的・文化的協力の深化に重要な意義を持っていると述べた。

　また駐ベラルーシ中国大使館の資料によると、現在ベラルーシの大学には留学や研修で２０００人近い中国人留学生がおり、両国の大学間の協力と交流もいっそう強まっている。16年12月にはミンスク中国文化センターが正式に設立され、両国の人的・文化的交流の重要な窓口になっている。

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