老朽市場改修に中国資金

王新玲=文

 ミャンマーの首都ネピドーの面積は中国の上海市に相当するが、人口はわずか100万余りにすぎない。真新しい空港があるが、満席の便はほとんどない。同市の発展は世界から見込まれているが、今でも多くの未開発の荒地がある。

 中国が建設に参加したことで粗末だったデビゴン野菜市場はより清潔に、よりにぎやかになるだろう(写真・秦斌/人民画報)

 初夏の早朝、まだ6時にもなっていない時間から、ネピドー中心部にあるデビゴン野菜市場はすでに活気にあふれている。大樹の下や、小道の脇、舗装されていない坂の上を屋台が縦横無尽に並び、買い物する市民たちが行き来している。ここは一日三食をまかなえる野菜、果物、乾物、調味料がそろっている他、ミャンマー独特のマンゴーサラダ、お茶の葉サラダ、魚醤、噛みたばこなども売られ、疲れたり喉が渇いたりした時には、木陰の下で朝ごはんを提供する屋台でミルクティーを飲みながら一休みをすることもできる。

 ここは野菜市場と呼ばれているが、服や雑貨を販売する屋台もある。ミャンマー人が必ず着用する衣服のロンジーや履物、そして豊富な種類の中国製雑貨、ミャンマー語版の中国映画やドラマのDVDを入手できる。この市場には一般庶民の生活が必要とするほぼ全てのものがあり、人々の毎日の生活はここから始まっている。

 この市場は480軒の屋台がある、ネピドーで2番目に大きな市場だ。行政機関エリアとホテルエリアに近いため、政府部門の公務員以外に、一般庶民やこれを見るためにわざわざやって来る海外観光客にも利用され、毎日の来訪者は少なくとも1万人で、多い場合は10万人に上ることもある。朝と夕方は一番にぎやかな時間帯だ。

 大人気のデビゴン市場は現在、施設の老朽化問題に直面している。雨季になると、排水機能に問題があるため、道路が膝上まで冠水し、露天商たちの品物が水に漬かり、人々がぬかるみの中で買い物することも日常茶飯事だ。

 2016年にミャンマーの国会議員のミャオ・アウン博士は詳しく調査を行い、ネピドー市政府にいち早く同市場の改修工事を開始するように提言した。改修工事を推進するために、ネピドー市政府が同市場の全ての露天商から意見を聴取したところ、即時の改修に賛成する者は90%を占めた。駐ミャンマー中国大使の洪亮氏は現場を視察し、中国大使館もこの民生改善プロジェクト(9)に加わりたいと示した。

 「最大の問題は資金不足でしたが、中国が加わるとこの難題は解決できました」とネピドー市民委員会のミャオ・ティン委員は振り返る。関係者によると、16年12月から今年の5月までに、デビゴン野菜市場の改修をめぐる協力において、ミャンマー企業は主に基礎工事を担当し、約4億チャット(約3200万円)を投入した一方、中国企業は主に地表の鉄骨構造の建設を担当し、約6億チャット(約4800万円)を投入した。

 改修後の市場では、屋台の数が以前より数十軒増設される。全ての屋台はきちんとしたテーブルの他に、商品を保管するミニ倉庫も付く。また市場の至る所には、雨季に備えた優れた排水システムが配置されている。

 屋外で厳しい日差しにさらされている露天商と市民たちは新市場の早期開業を今や遅しと待っている。

 

人民中国インターネット版

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850