ウインウインへの選択肢

ミャンマー戦略国際問題研究所会長 ニュン・マウン・セイン=文

 

外文局の取材に応える

ニュン・マウン・セイン会長

(写真・秦斌/人民画報) 

 ミャンマーと中国は友好的な隣国だ。60年前、ミャンマーと中国の指導者は共に雲南省で両国の友情を象徴するギンコウボクを植えた。そして今年の5月8日に、雲南省で中国とミャンマーの友好を記念するフォーラムが開催され、ミャンマー側は筆者を含む16人の訪問団を派遣し、中国側は40人の代表団を派遣した。

 ミャンマーは古代シルクロードに関わっていなかったが、現在の「一帯一路」建設への参加チャンスを逃してはいけない。ミャンマーと中国の間には大きな協力の余地がある。ミャンマーにとって最初に解決しなければならない問題は電力不足で、この点で中国の助けが得られれば、ミャンマーは工業を発展することができる。そして中国はミャンマー国内の鉄道、道路などのインフラ整備を促すことができる。さらに中国はミャンマーのために各分野の技術者を訓練・育成し、彼らに専門知識を教える力がある。中国にとって、ミャンマーは地理的条件に恵まれており、貨物船がインド洋から中国まで着くのに18日かかるが、ミャンマーを中継地とすれば多くの資源と時間を節約できる。

 現在、ミャンマーと中国が展開した協力プロジェクトはすでに価値を生み出している。例えば、中緬石油天然ガスパイプラインの開通は双方にも多くの実益をもたらすことになり、中国にエネルギー輸入の新しいルートを提供する一方、ミャンマーの電力不足問題の解決にもつながる。ミャンマーのチャウピュ経済特区は両国関係を向上させるだけでなく、ミャンマーの経済成長に貢献し、多くの雇用機会をもたらす。ミャンマーと中国は昆明からミャンマー最南部の港に直通する鉄道を建設する計画を考案しており、その完成は双方の利益になる。

 現在、中国、インド、ミャンマー3国の貿易の発展が直面している主な問題は中国とミャンマーの国境およびインドとミャンマーの国境地帯が不安定な状態にあることだ。国境地帯の平和があるからこそ、人員と物資の安全な輸送が保証できる。そのため、ミャンマー新政権の第一に取り組む任務は国家の安定を実現することだ。国境の安定を実現するには、中国側の積極的な協力が望まれている。そうしてこそ、初めて共同繁栄が実現できるのだ。

 「一帯一路」イニシアチブは素晴らしい戦略的布石(10)で、非常に有望だと筆者は見ている。このイニシアチブの下で、中国の製品が他国に輸出され、他国の製品も中国に進出することができる。これは経済・貿易の交流を促すだけでなく、文化のコミュニケーションを促進することにもつながる。現在のところ、「一帯一路」の建設は非常に成功していると考えられる。

 東南アジア全体から見ると、欧州連合(EU)に比べて東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は互いにつながっており、より強固な関係を保っていると考えられる。ミャンマーは積極的にASEAN一体化プロセスに参加し、それを推進している。毎年11月にわれわれASEAN諸国は中国、インド、オーストラリアなどの周辺国を招いてASEANサミットを開いている。「一帯一路」は国家間の協力強化のために優れた選択肢を提供したといえるだろう。

 

人民中国インターネット版

 

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