ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、8日にニューヨークで開かれた中国旅美科技協会(The Chinese Association for Science and Technology, USA、CAST-USA)第25回年次総会で、「世界経済はすでにグローバリゼーションの分業と配置の段階に入った。反グローバリゼーションは既存のサプライチェーンを分断し、そのコストを押し上げ、利益より損失の方が大きくなる。そのため、グローバリゼーションの流れを反転させることは困難だ」と述べた。
スティグリッツ氏は、「米国が貿易保護主義に傾き、グローバル貿易の規則に戦いを挑もうとする一方で、中国は経済貿易のグローバル化を力強く支持している。特に、中国の指導者のダボス会議での声明は非常に印象的だった」との見方を示した。
スティグリッツ氏の言うとおり、グローバル化に反対し、既存の世界のサプライチェーンを分断すれば、世界経済全体の運営コストは大幅に上昇し、多くの製品価格が高騰することになる。このような状況は生産者にとっても消費者にとっても災難だ。製品価格が上昇する中で、貨幣の発行増を余儀なくされれば、世界経済全体を混乱に陥れるようなハイパーインフレを招くだろう。
事実、グローバル化による世界の分業はますます明確になり、産業は細分化され、仕組みが整った協力メカニズムが形成されている。個々の国家や企業がこの体系から自身に合った製品や材料を選んだり、自身が生産した製品や材料を提供したりすることが可能だ。そして需給体系は、これを通じてより合理的で、効率が高く、波及効果が高くなる。また、分業の深化に伴い、配置もより合理的で科学的になるため、世界全体の生産コスト、販売コスト、供給コストの節約に大きな役割を発揮する。
当然のことながら、国や企業ごとに状況は異なるため、一部の規則や体系の整備が追い付いておらず、それぞれが受ける利益にはバラツキがある。しかしこれは規則や体系の整備を通じて解決可能なのは明らかだ。既存の規則体系の下で、中国や中国企業の利益にも一定の影響が及ぶ可能性がある。しかし、これらの影響とグローバル化がもたらす恩恵を比べれば、無視してもよいほど軽微な影響だ。中国のグローバル化への姿勢は非常に明確で、一貫してグローバル化推進に注力している。スティグリッツ氏の見解は、中国がグローバル化を支えていることを称賛し高く評価するものだ。
現在、一部の国では貿易保護主義が台頭しているが、これは明らかにグローバル化に反し、これらの国の長期的な利益にも合致しない。中国は目の前の利益や自国の利益のためにグローバル化に反対したりすることはあり得ない。中国の姿勢は非常に明確で、グローバル化を全力で支持し、力強く推進する。グローバル化は世界の大きな流れであり、一部の国が反対したくらいで反転することはあり得ない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月16日
|