厳格な党内統治の5年間 数字で読み解く反腐敗の「成績表」

中国共産党第19回全国代表大会プレスセンターは19日午前、「党建設事業の強化と全面的で厳格な党内統治」と名付けた記者会見を行った。中共中央紀律検査委員会副書記で監察部部長、国家予防腐敗局局長の楊暁渡氏と中共中央組織部副部長の斉玉氏はこの中で、多くの数字を用いて、ここ5年の全面的で厳格な党内統治による反腐敗の「成績表」を読み解いた。

個人報告制度での審査人数延べ125万人、処理人数12万5千人

 斉玉氏によると、中国共産党はここ5年で、中国の特色ある指導幹部個人関連事項報告制度を構築・整備し、指導幹部の権力行為と密接にかかわる家庭内の事情や財産などの状況を重点とした取り組みを進め、審査結果の運用と責任追及を際立たせ、審査対象者数は延べ125万人、処理人数は12万5千人にのぼった。

幹部延べ60万人以上を注意、書面尋問、警告

 斉玉氏は、過去5年の党建設と組織活動の状況について、中国共産党は厳格な官僚統治を真剣に進め、幹部管理監督制度体系はますます整備されていると語った。問題を早期に小さな段階から取り締まり、予防を重視し、日常的な管理監督を厳格化し、各級組織人事部門が注意や書面での尋問、警告を行った幹部は近年延べ60万人余りに達する。

全国市県郷の改選で9300人余りの幹部候補が審査通過せず

 斉玉氏によると、党の組織指導とチェックの役割を強化するため、幹部任用時の「4つの『必』」(個人資料の審査、個人関連事項報告の審査、規律検査・監察機関の意見の聴取、具体的な投書や通告の検査)や任用候補者の反腐敗の自律的状況に関する「2つの署名」(党委員会と規律部門による署名)などの制度の実行を通じて、問題を抱えた幹部の抜てきが防止された。全国の市県郷レベルでの今回の改選では、9300人余りの幹部が審査を通過せず、選出を阻まれた。

県処級以上の幹部2万2千人余りの人事調整

 斉玉氏によると、指導幹部の昇格・降格に関する若干規定を制定・推進し、能力のある人員は昇格し、能力の足りない人員は降格し、能力の劣った人員は淘汰される人員選出と任用のメカニズムを構築した。この規定で調整を受けた県処級以上の幹部は2万2千人余りに達する。

5年で延べ1億人近くの各級・各種の幹部が職場外研修に参加

 斉玉氏によると、第18回党大会以来、厳格な党内統治の全面的な展開では際立った成果が上がり、党の組織活動においては主要な責任と業務にターゲットがしぼられ、問題志向が際立たされ、責任と実績の重視が強化され、多くの新たな成果が収められた。ここ5年で職場外研修に参加した各級・各種の幹部は延べ1億人近くに達する。

党員総数は5年で432万人増加 年平均増加率1.2%

 斉玉氏によると、中共中央組織部は、「総量のコントロール、構造の最適化、質の向上、役割の発揮」という総体要求に照らして、党員の発展の条件を引き締め、党員陣営の適度な規模を保持し、党員陣営の構造の最適化をはかった。2012年と比べると、ここ5年で党員総数は432万人増加し、年平均増加率は1.2%で、総量調整目標が実現された。

省軍級以上の党員幹部とその他の中共中央任免幹部440人を審査

 楊暁渡氏によると、第18回党大会以来、全面的で厳格な党内統治は際立った成果を収め、反腐敗闘争の圧倒的な態勢の形成と発展の強化が実現され、省軍級以上の党員幹部とその他の中共中央が任免権を持つ幹部440人に対する立案と審査が行われた。中央はここ5年、「トラ」も「ハエ」も叩くを堅持し、政治腐敗と経済腐敗が結びついた利益集団の除去を断固として進め、周永康や薄熙来、郭伯雄、徐才厚、孫政才、令計画などの重大な紀律・法律違反案件を厳しく取り締まった。

5年で中央委員と中央委員候補43人を審査・処理

 楊暁渡氏によると、ここ5年で、省軍級以上の党員幹部とその他の中共中央が任免権を持つ幹部440人に対する立案と審査が行われ、このうち中央委員と中央委員候補は43人、中央紀律検査委員会委員は9人にのぼった。紀律処分を受けた庁局級幹部は8900人余り、処分を受けた県処級幹部は6万3千人余りに達した。

末端党員幹部27万8千人を処分 海外逃亡者3453人が帰国

 楊暁渡氏によると、大衆のそばにある腐敗にも厳しい取り締まりが行われ、末端党員幹部27万8千人の処分が行われた。反腐敗のための国際的な逃亡者・資産の追及も進められ、国外に逃亡した人員3453人を帰国させ、国際手配された100人のうち48人が逮捕された。

第19回党大会の代表名簿公表後も7人に代表不適格の判断

 第19回党大会の代表者数が変わった原因について、斉玉氏は、第19回党大会の全国代表には選出後も厳格な管理が求められ、選出された代表に対する真剣な審査が行われたと語った。第19回党大会の代表名簿が公表された後、代表にはふさわしくない問題が7人に見つかり、中央の認可を経て、代表ではなくなった。斉玉氏によると、投書や陳情、通報、見つかった手がかりなどは、どれも真剣に調査・審査し、代表の条件に合致しないものについては、党内の関連規定に従って断固とした調整を施す。孫政才ら27人は、紀律・法律違反などの問題があったことから、中央の認可を経て、第19回党大会の代表ではなくなった。

公務員の辞職者数は0.1% 民間転身ブームは存在せず

 斉玉氏によると、統計から見ると、公務員は総体的に安定を保持し、700万人余りの公務員のうち辞職者は毎年1万人前後で、平均辞職者数は公務員総数の0.1%か0.1%をわずかに上回る程度にすぎない。そのため「大量の公務員が辞職して民間に転身している」という状況は存在しない。一定の数の公務員が辞職しているのは、人才流動の法則にかなったもので、各国と同様の正常な現象と言える。

 中国網日本語版(チャイナネット)2017年10月21日

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