若者を呼ぶ伝統的建築

 寛巷子にある伝統建築から昔の成都の風俗を垣間見ることができる

茶館以外で成都的な生活を存分に味わいたいのならば「寛窄巷子」に行くべきだ。寛巷子、窄巷子、井巷子の3本の道によって構成されているここは清代からある古い通りで、灰色のれんがと黒い瓦で四合院(中国北部の伝統的家屋建築)が再現されている。

なぜ南方の成都にこのような大規模の四合院があるのか。それは300年前にさかのぼる。清の康熙57(1718)年、西南で反乱を企てたジュンガル部を鎮圧するため清朝は軍を派遣した。戦乱終結後、1000人以上の清軍の駐屯地になったのが現在の寛窄巷子だ。北方からやってきた八旗の若者らが自分や家族が住むために多くの四合院を建て、今日の寛窄巷子の風景を形成したのだ。

2002年に成都市は寛窄巷子を文化街エリアにするよう決定し、「古きものを古きまま修繕する」という原則に従って建築物そのものの風格を残しながら修繕工事を行い、08年に発生した四川省の「汶川大地震」の1カ月後、ここを成都観光業復活のシンボル的観光スポットとして開放した。

現在の寛窄巷子は三つの道にそれぞれ異なる風格が表されている。寛巷子は石畳の道、古木、彫刻が施された門など伝統的な成都の生活風景が見られ、観光客は四川料理や四川のお茶を味わえ、四川西部の伝統的な家屋に泊まることもできる。窄巷子では西洋風のレストランやバー、カフェが建ち並び、おしゃれなムードを味わえる。井巷子は「文化壁」が有名で、れんが造りの壁の上に成都の歴史や文化や風俗にまつわる絵が描かれている。

そして寛窄巷子ではどこでも多種多様で手軽な成都のグルメを楽しむことができる。糖油果子(揚げ餅)、三大炮(きな粉餅)、葉児粑(ささ団子)、涼粉(緑豆で作ったところてんのようなもの)、抄手(四川風わんたん)、担担麺、肥腸粉(モツを入れたさつまいものはるさめ)、ウサギの頭、鍋盔(中華風ナン)など枚挙にいとまがない。全身に口がないと食べ切れないと冗談を言われるぐらい種類が豊富だ。

 

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