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青島ビール工場のパッキングセクションで稼働中の「カメレオン生産ライン」(写真・傅学軍) |
青島市登州路56号にある青島ビール工場では、毎年春節(旧正月、今年は2月16日)がやってくると、パッキングセクションの工員は特に忙しくなり、課長の郝全青さんは生産ラインの切り替えに追われる。直前まで春節用のイヌ年に因んだ「縁起物」のアルミ王冠の瓶だったが、今度は欧米輸出用の小瓶製品のラインに切り替えた。
洗瓶機から検瓶機、充填キャッパー装置、ラベリング装置、箱詰め機、スタッキングマシン……郝さんは生産ラインを走り回って点検する。ビールのパッキングはビール生産の最後のプロセスであり、技術的にかなり複雑で、自動化が進んでいるセクションでもある。
郝さんは「3号ラインは、現在、1日に最多で14種類のパッキングを行うことができ、その転換プロセスは非常に複雑です」と説明する。工員に求められるのはラインの転換に挑戦する気概だそうだ。
1980年代にはわずか3種類の製品しか生産していなかったが、今では工場で生産するビールは227種に増えている。品種が増加したということは、生産ラインを製品、商標、瓶の王冠、瓶の形、パッキングケースに応じて頻繁に変えなければならないことを意味している。瓶の形を変えるたびに、充填機、ラベリング装置、洗瓶機などのパーツも取り替えなければならない。
過去にはライン上でひとたび瓶が押されて倒れると、1本から全体が倒れてしまい、効率に大いに影響した。小瓶化生産に変わった今日、瓶型だけには258㍉㍑、330㍉㍑、355㍉㍑など12種類ある。258㍉㍑の変形の瓶は「柳腰(小蛮腰)」とも呼ばれ、握った手触りは非常によいが、上が重く下が軽いために、輸送中に倒れ易く、生産ラインで最も頭が痛い難題になっている。どうすればよいか? 青島ビールの技術陣は1種の周波数変換オープンループコントロールを採用して、速度調整によってこの問題を解決した。
「昨年、私たちはまたドイツから輸入した設備を改造して、従来のTPOという指標をさらに33%レベルアップさせました」と郝さんは述べた。この指標の変化をおろそかにしてならないのは、ビールの鮮度を向上させることにつながり、また中国技能労働者の進取の姿勢を読みとることができるからだ。
このような新応用、新改造は3号ラインで多数行われ、この数十年の歴史を持つ生産ラインは、毎時3万本余のビールを生産することができ、24時間運転で、ほとんど年中無休だ。昨年、3号ラインは転換回数を13.3%増やしたが、転換時間の増加はわずか7%だった。この背景には先進的制御と管理理念があり、毎年、継続的に生産環境の改造と刷新を重ねて来たことがある。
「最小の注文は100箱余だが、これほど多くの特製品が増えているのは、全て当面の市場変化と消費者の需要に基づいています」と、青島ビール工場の工場長助理兼パッキング部の黄幸部長は語る。多品種化、少量化、多頻度化の生産戦略によって、青島ビールは着実にレベルアップし、日増しに個性化する消費者の要求をしっかり把握し、自身の市場構造を最適化している。(文=周暁峰)
人民中国インターネット版 2018年2月27日
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