世界の屋根と呼ばれるチベットは、中国西南部に位置し、平均標高は4000メートル以上、122万平方キロメートル以上の面積がある。2006年末まで、総人口は281万人に達し、うち、チベット族が総人口の92%以上を占める。独特な地形、変化の激しい気候、そして内陸と異なる文化、民族、宗教を持つチベットは、神秘のベールをまとう仙女のように感じられる。
長期にわたって、チベットに行き、神秘のベールの隙間から、魅惑的な景色を見たいと望む人は多い。
1993年以来、私は5回、チベットに行っている。前3回は在職期間中の出張、後の2回は、定年退職後の個人的な愛好である。高地は心臓の鼓動を速めるが、独特な雪の風景、あでやかな南国情緒、とりわけ自然に溶け込んだ人たちとその生活文化の景観が、私の心をゆったりと良い気分にさせ、収穫は多い。
青蔵鉄道(青海・チベット鉄道)が開通した後、開放的なチベットは、ますます多くの国内外からの観光客を歓迎している。一人の撮影愛好者として、私はチベットで多くの写真を撮っている。佳作とは言えないが、もしこれらの写真がチベットを知りたい皆さんに、多少の助けとなれば、幸甚である。(文・写真=『人民中国』雑誌社前社長于明新) |