江戸っ子(江户人)

2018-02-27 14:44:15

                                =福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

江戸時代、とくに江戸の下町に生まれ育った町人が、それを自慢して言ったのが、「江戸っ子」という言葉だ。現代ではほとんど実質的な意味をもたない言葉ではあるが、下町ではいまだ「江戸っ子」であることが自慢の種になる。「江戸っ子」と言うためには、三代続いて江戸生まれでなければいけない、とよく言われる。かく言う私も辛うじて江戸っ子と名乗ってもよいようで、福井家の戸籍を見ると、曽祖父が岐阜から出て来て、浅草界隈に住み着いたようだ。

江户时代,在江户下町地区出生长大的居民,尤其爱自诩为“江户人”。这一称呼在今天几乎没有实质性的含义,但在下町地区,现在还有人以“江户人”自居。要想成为“江户人”,通常必须是连续三代都在江户出生。这样说来,我似乎也勉强算作“江户人”,查看我们福井家的户籍,我的曾祖父好像是从岐阜迁移而来,定居在浅草一带的。

江戸は17世紀に入るまで住む人も少ない田舎町だったのが、江戸幕府の成立により、急速に都会化した場所である。「三代続き」と言うが、裏を返せば三代以上遡るとほとんどが地方からやって来た人間であり、都としての歴史の長い京都などの住民から見るとてんで歴史がない、という話になるのだろう。でもそこが江戸のよいところであり、各地方の文化が入り混じり、新しい活力が生まれる源となった。

江户在17世纪以前,是很少有人居住的乡村。但自从江户幕府成立之后,城市化发展日新月异。说是“连续三代”都是江户出生,其实反过来追溯到三代以前,几乎所有江户人都是从外地迁移而来。在建都历史悠久的京都等地的居民看来,江户可能根本就没有历史可言。不过,这也正是江户的优势所在,各地文化在此汇聚融合,使江户成为不断焕发新鲜活力的源泉。

以前にも紹介したが、木造家屋が連なる江戸では、火事が多発した。火事がひとたび起きれば、たちまち燃えて一切がなくなってしまう。そこから「江戸っ子は宵越しの金を持たない(その日稼いだお金はその日に全部使ってしまう)」のを良しとするような、金銭や物に執着しない、さっぱりとした気風が生まれた。

我曾在之前的文章中介绍过,在木质建筑鳞次栉比的江户,经常发生火灾。一旦火起,火势会立即蔓延将一切化为乌有。由此,“江户人今朝有酒今朝醉(即当天赚的钱当天要全部花光)”的生活方式备受推崇,江户人也形成了做事爽快,不会对钱物拥有执念的性格。

物には頓着(とんちゃく)しないが、人情は大切にした。困っている人がいれば隣近所で助け合い、子どもは長屋(ながや)注1じゅうで面倒をみた。情が厚いが、さっぱりとした気性なので、あまり深く物を考えず、メンツにこだわり、喧嘩っ早い。「粋(いき)だ」「いなせだ」注2と言われるのが最大の賛辞であった。こうした「江戸っ子」のイメージは、なんとなく“老北京”のイメージとも重なる。どちらも一国の首都として大いに繁栄した都市であり、そこに生まれ育ったことの自負がこうした意識を育むのかもしれない。

尽管不在意物质,江户人却很重视情义。如果谁有了难处,街坊邻居会互相帮忙,小孩子也会经常受到住在长屋注1里的人们的关照。江户人虽然重感情,但性格直爽,所以,考虑问题不会特别细致,而且爱面子,经常吵架。他们会把“火辣”“讲义气”注2当作是别人对自己的最大褒奖。这些“江户人”的特点,不禁让人联想到“老北京”人。江户和北京都是身为一国首都的繁华都市, “江户人”和“老北京”人或许就是凭借这种与生俱来的自傲,形成了其独特性格。

 

注释

注1:長屋は江戸の貧しい町人の住まいで、横に長い一棟の木造平屋に複数の狭い家が連なっているもの。中国でいうと四合院、それも雑院に住まう人々を思い浮かべれば大差がない。

长屋是江户的穷人们居住的地方,在排成一长列的木制平房中,有很多户人家比邻而居,每间屋子都很狭小。长屋的居民生活类似于中国的四合院或者大杂院的生活感觉。

注2:粋(いき)は、「さっぱりした気立てで、洗練されていて、色気(いろけ)もただようさま」、「いなせ」は、「粋で威勢がよく、さっぱりとして男らしいさま」と説明される。結局、「さっぱり」というのが江戸っ子のキーワードのようだ。

火辣,多用于形容女性,指“性格爽快、穿着讲究、性感”。“讲义气”,多用于男性,被认为是“锐气十足、爽快、有男人味”。所以说“爽快”是形容“江户人”的关键词。

豆知識

1.除了江户人今朝有酒今朝醉外,形容江户人性格的俗语还有

「江戸っ子は五月(さつき)の鯉(こい)の吹き流し」

直译为“江户人像五月的鲤鱼旗”,因为鲤鱼旗是空心的,比喻江户人心直口快。

2.在戏剧台词中,有下面这段江户人自夸的文字:

金の鯱鉾(しゃちほこ)をにらんで、水道の水を産湯(うぶゆ)に浴び、おがみ搗()きの米を食って、日本橋の真ん中で育った金箔(きんぱく)つきの江戸っ子だ

江户人是望着金兽头瓦出生,用自来水开启人生第一次沐浴,吃着精米,在日本桥一带长大的有身份的人。

 

 

 

 

 

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