「啓蟄」と「春分」
2021-01-13 08:48:33
2016年、二十四節気は世界無形文化遺産リストに登録された。節気は唐・宋時代の漢詩に多く詠まれており、しかも開花期が規則的な植物と組み合わせて気持ちを託すことが多い。一方、日本でも俳人が俳句を通じて節気と花に日本独特の美的情緒を与えた。今月は、「啓蟄」「春分」という2つの節気に合わせて、「スミレ」と「サクラ」を描いた俳句を選び、それぞれ「漢俳」と「漢詩」の七言二句に翻訳し、読者と共に鑑賞する。中国語が分かり、漢詩に興味を持っている読者の方々のご意見を待ち望んでいる。
啓蟄 三月五日
{けいちつ}啓蟄の{どちゅう}土中の{ふか}深さ{おも}思ひけり
(能村登四郎)
惊蛰起遐想
春泥深处生机旺
虫儿松土忙
(王衆一 訳)
节令又到常思忖
惊蛰土中几许深
(王岩 訳)
{やまじ}山路{き}来て{なん}何やらゆかしすみれ{くさ}草
(松尾芭蕉)
漫漫山路长
无由心绪惹愁肠
紫花地丁香
(王衆一 訳)
行旅人到山路上
蓦地堇菜牵遐想
(王岩 訳)
春分 三月二十一日
{しゅんぶん}春分の{ひ}日なり{あめ}雨なり{くさ}草の{うえ}上
(林翔)
淅沥春之曲
春分之日春之雨
草色嫩几许
(王衆一 訳)
甘霖无声润草上
春分之日雨亦香
(王岩 訳)
さまざまの{こと}事{おも}思ひ{だ}出す{さくら}桜かな
(松尾芭蕉)
感时忆盈怀
又见如云樱怒开
悠悠旧愁来
(王衆一 訳)
年年岁岁樱花开
万般往事忆中来
(王岩 訳)
訳者
王衆一 人民中国雑誌社総編集長
王岩 日本俳句協会会員
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