啓蟄
二十四節気は中国の世界無形文化遺産で、東アジア諸国と共有されている。日本の大家による節気に関する俳句の中国語訳コーナーは、開始から数年、読者の皆さんの好評を得てきた。昨年からは、中国の文人による節気を賛美した詩歌も追加し、東方諸国の詩歌の「和して同ぜず」の美感を体感できるようにした。さらに、中国の著名な篆刻家・書道家の駱芃芃さんを迎え、手書きの俳句と漢詩に加え、彼女の節気に関する篆刻作品も掲載することとした。「俳、詩、書、印」の調和の美を共に鑑賞しよう。
啓蟄 三月五日
王丹丹=イラスト
转瞬惊蛰到
枝头啾啾闻鸟叫
春来真美妙
(王衆一 訳)
启蛰今朝之鸟语
不由惊叹美声矣
(王岩 訳)
阔别整五年
游子又见桃花艳
遍开故乡山
(王衆一 訳)
五年未见家山景
今日桃花映眼红
(王岩 訳)
漢詩
《田家四时》
(宋)梅尧臣
昨夜春雷作
荷锄理南陂
杏花将及候
农事不可迟
蚕女亦自念
牧童仍我随
田中逢老父
荷杖独熙熙
{のう/か}農家の{しき}四季
{ばい/ぎょう/しん}梅堯臣({そう}宋)
{ゆうべ}昨夜{しゅん/らい}春雷{おこ}作り
{すき}鋤を{か}荷し{なん/ひ}南陂を{り}理する
{きょう/か}杏花{まさ}将に{こう}候に{およ}及び
{のう/じ}農事{おく}遅れるべからず
{さん/じょ}蚕女{ま}亦た{じ/ねん}自念して
{ぼく/どう}牧童{よっ}仍て{われ}我{したが}随う
{でん/ちゅう}田中{ろう/ふ}老父に{あ}逢う
{じょう}杖を{か}荷し{ひと}独り{きき}熙熙たり