『中国新聞週刊』 ICU整備の課題

2019-07-08 09:32:31

 

 中国で、集中治療室(ICU)の整備は2000年代から急速に進んだ。しかし、先進国と比べて1人当たりの病床数は、まだ患者のニーズを満たしていない。その上、2020年以降、中国の高齢者人口の急増に伴い、ICUの病床数の不足がよりいっそう深刻となる見込みだ。ICUの整備は一刻の猶予も許さない問題であるが、現在二つの課題に直面している。まず、中国の医療システムは現在、急性疾患の治療が中心となっており、慢性疾患に対する治療サービスが不足している。そのため、慢性疾患を患う重篤患者をケアする場所がなく、長期的にICUに滞在するという問題が起こっており、ICUの病床を占拠すると同時に、医療費と医療保険への負担となっている。一方、各病院間の医療設備等における格差は次第に縮まってきているが、医師のレベル格差は依然として大きい。各大学の医学教育のレベルが異なる現状で、医学生の卒業後の臨床研修はいっそう重要になる。しかし、中国ではこうした研修システムはまだ始まったばかりだ。

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