『VISTA看天下』 「顔交換」時代の誘惑と危険

2019-12-18 16:14:32

 

 中国の顔交換アプリ「ZAO」が830日にリリースされ、瞬く間にさまざまなSNSに広がった。「写真1枚で世界中の映画・ドラマに出演できる」ことをうたった同アプリは人工知能技術を使い、動画内の俳優の顔とユーザーの顔写真を入れ替えることができる。一夜にして大流行した同アプリだが、すぐに世間を騒がせることとなった。芸能人の肖像権問題や、ユーザーのプライバシー侵害問題、データ漏えいリスクなど、さまざまな問題が次々とメディアやユーザーによって明らかにされた。工業・情報化部(工信部)は94日、担当者に聞き取りを行い、是正するよう求めた。中国は顔認証技術の発展が最も目覚ましい国の一つだ。昨年11月、米国国立標準技術研究所(NIST)が世界顔認証ベンチマークテスト(FRVT)の結果を公表したが、トップ5社はいずれも中国の企業だった。中国の商業界および科学技術者たちは、まさに身分証や携帯電話など一切の物を持たず、顔一つだけで中国のどこへでも行ける新たな世界をつくろうとしている。そのため、中国政府も各関連政策・法律を積極的に整備し、こうした技術をさらに健全に発展させるために支援していく。

関連文章