『周恩来の述懐』

2018-06-19 14:42:10

曹応旺 著 吉田修誠吉田理華 訳

 周恩来は、19729月の田中角栄元首相歓迎宴で、「われわれ両国の歴史には、2000年もの友好往来と文化交流があり、両国人民は深い友情で結ばれている。われわれはそれを大切にすべきだ」とあいさつした。現在でも、この劇的な中日国交回復のドラマを鮮明に記憶している人は多いはずだ。

 同書は日中平和友好条約締結40周年、周恩来生誕120周年を記念するために出版されたもので、周恩来の自叙形式で、どのように困難を乗り越え、中日両国関係の新たな時代をつくり上げたかの過程やそれを創造した人々の真実の物語などを描いている。著者の曹応旺氏は中国中央文献研究室で、長期間にわたって周恩来を専門的に研究した権威として、これまでにも関係書籍を多数出版している。日本の読者にとって、新たな中日関係の構築が求められる今、一読に値する1冊だ。(中国出版トーハン 20187月 3000円〈税別〉)

 

 

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