『二泉映月:十六位親見者憶阿炳』

2018-11-28 15:57:58

黒陶 著

 

 1978年、著名な指揮者である小澤征爾氏の高い評価で、中国の伝統楽器二胡の曲『二泉映月』が一躍世界に知られる名曲となった。その作曲家は目の不自由な大道芸人である阿炳(本名は華彦釣)で、彼自身も人々に注目され始めた。同書の作者は数年間を費やし、当時、阿炳と交流のあった16人を取材した。その中には、1950年に阿炳が自作曲を録音する場に同席していた黎松寿氏、阿炳の近所に住む許憶和氏、阿炳にお酒を買ってあげ、新聞を読んであげた道士の華寅生氏、阿炳と交流が深かった錫劇の芸人鄒鵬氏らがいる。彼らは阿炳の音楽への情熱、生活の困窮、街頭で曲を演奏して生計を立てていたことなどを語り、世の中の暗い所で生きていた盲目の音楽家のイメージを生き生きと表現した。(広西師範大学出版社 20188月 46元)

 

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