岡崎雄兒(日)著 李玲 訳
同書は中国の国歌『義勇軍進行曲』の作曲者・聶耳の経歴、日本での溺死、同曲が国歌となった過程の三つの部分から、彼の短く非凡な生涯および日本との関係を紹介している。著者は、聶耳が亡くなった藤沢市の湘南海岸に生まれ、長年、中日貿易・文化交流に従事してきた。同書執筆のために、著者は大量の日本語・中国語の資料を調べるとともに、聶耳がかつて暮らした昆明や玉渓、上海、北京などを訪れ、聶耳の後輩や親友、中国の聶耳研究者と深く交流した。特に注目に値するのは、聶耳の死因を探るために、彼が亡くなった日(1935年7月17日)の海の状態と天気に関する観測記録などを探し出し、地元関係者を訪問していることで、これはこれまでの中国語の資料に欠けているものだ。
(新星出版社 2019年7月 49元)