福建土楼

2021-08-27 16:38:18


「中国観光の日」の5月19日、中国郵政は「福建土楼」特別切手4枚1セットを発売した。四季に合わせて振成楼、二宜楼、田螺坑土楼群、承啓楼という4カ所の福建省の代表的な土楼を描いた。

宋・元時代(960~1368年)に建てられ、明末と清の時代に成熟し、民国期に最盛期を迎えた福建土楼は、集団生活と防御を目的に、石を土台に土を壁にして作られた独特の高層・大規模な集合住宅だ。2008年には、同省の龍岩市永定区、漳州市の南靖県と華安県にある計46の土楼が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産リストに登録された。

1912〜16年に完成した龍岩市永定区にある振成楼は、福建土楼の中でも比較的新しく、「外は中華、内は西洋」という中国式と西洋式を併用した建築スタイルで、「土楼のプリンス」と呼ばれている。

1740年から建設が始まり、1770年に完成した華安県にある二宜楼は、同心円状に二つの土楼が囲む構造になっている。土楼の部屋などには、壁画226枚、色彩画228枚、木彫り細工349点などが保存されていて、「中国南方壁画博物館」とも呼ばれている。

南靖県の田螺坑土楼群は、四角形の歩雲楼と円形の振昌楼、瑞雲楼、和昌楼、さらに楕円形の文昌楼の五つの土楼からなっている。この土楼群の建設は清代の1662年に始まり、304年の歳月をかけて完成された。

「土楼の王」と呼ばれる永定区の承啓楼は、直径73㍍、高さ16㍍で三つの同心円状の構造になっている。明の崇禎年間(1628~44年)に建設が始まり、清の康熙年間(1662~1722年)に完成した。最盛期には800人以上、今も300人を超える人々が暮らしている。

中国郵政2021年5月19日発売

 

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