長江商学院が国際的デザイナー原研哉氏を特別招待 未来生活と社会のイノベーションについて討論

2018-07-20 17:38:33
 
顧思騏
 

イベント会場の様子 

 7月14日、長江商学院と長城会は「未来生活への模索と社会のイノベーション」をテーマとする「長江大講堂」フォーラムを共同で主催した。長江商学院の学生および各界の関係者ら200人余りが同イベントに参加し、会場は満員状態だった。
 
 長江商学院の周立院長補佐は「より多くの中国企業家たちが、未来に向かって、始終社会のイノベーションを推進することを企業戦略の念頭に置き、より多くの力を発揮し、社会発展に積極的な影響力を与えるべきだ。中国の経済発展と社会問題を解決するのに必要なだけではなく、世界の経済発展と社会発展の重大な挑戦にも中国の知恵と力を貢献していかなければならない」と述べた。
 

長江商学院の周立院長補佐

 日本の国際グラフィックデザイナー、株式会社日本デザインセンター代表取締役、無印良品のアートディレクター原研哉氏が「未来の家への探求」をテーマとする講演を発表し、国際的に有名な建築家10人と企業家10人が共同に制作した理想的な「未来の家」の様子を展示し、そのデザイン理念についても説明した。


 原研哉氏はMUJIブランド成功の秘訣について、「現地の文化に溶け込めるデザインがMUJIのアイディアの原点である。MUJIは全世界各地の異なる文化デザイン、各地域の素晴らしい独創性、グローバル化の一部分に対して焦点を合わせている。中国人がMUJIを好む理由は、それが日本風だからというわけではなく、皆さんの心の中にある「シンプル」に対する渇望である。この美的センスは皆さんの「空っぽ」に対する好みに合致するかもしれない。水が入ったコップより、空っぽのコップの方がより趣きがある。これは中国の道教の考え方にも見られ、いずれも簡素簡潔文化への憧れであろう。この簡素的、道法自然的なものは中国に由来し、MUJIはこういった空っぽで、簡素的な心に同調し、人気を得られた」と述べた。
 

原研哉氏

 また原氏は、「デザイナーとして私はただ敏感に皆さんが思っていること、考えていることを捉え、それを反映するだけだ。一ブランドの最も強いところは、絶え間なく思考することにあり、皆さんが求めているものは何なのか考えることだ。しかしこういった思考は非常に難しく、こうした絶え間ない思考こそブランドの生命力の所在でもある」と強調した。


 その後のトップ対談のコーナーでは、長江商学院経営管理博士(DBA)プロジェクト同窓生・雑誌『財経』執行編集長・経営学誌『ハーバード商業評論』中国語版編集長の何剛氏、原研哉氏と長江商学院経営管理博士(DBA)プロジェクト同窓生・華貿中心創業者・華貿集団董事長・中国不動産協会商業不動産委員会主任の房超氏が「住居、科学技術と社会のイノベーション」について対談した。中国の住居環境に関する実問題を取り扱い、未来の理想的住居スタイルとAIなどの現代科学技術との連携を模索し、社会のイノベーションを促進できる空間モデルについて論じた。
 
 

房超氏(左から1人目)何剛氏(右)と原研哉氏(左から2人目)


長江大講堂について


 「長江大講堂」は長江商学院が主催するイベントで、グローバルな視野や、社会のイノベーション、人文精神および全世界に関わる分野などを巡り、世界各界のエリートや長江OB、メディア関係者などを招き、長江の見方と中国実践の最新動向をシェアし、同時に東洋と西洋の知恵を相互交換するための特有のプラットフォームでもあり、現在までに十数回開催された。

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