6年目を迎えたPanda杯 さらなる高みへ共に前進

2019-08-05 11:22:37

 

 

駐日本中国大使館、中国外文局傘下の人民中国雑誌社、日本科学協会が共催するPanda杯全日本青年作文コンクールの2019年度授賞式および受賞作品集発表会が731日に東京都内で行われた。中国駐日本特命全権大使の孔鉉佑氏、駐日本中国大使館公使の郭燕氏、人民中国雑誌社の王衆一総編集長、日本財団の尾形武寿理事長、日本科学協会の大島美恵子会長、受賞者、ゲストら約200人が出席した。取材には、人民日報、新華社、中国中央テレビ局、日本経済新聞、フジテレビ、毎日新聞など18社の中日メディアが訪れた。

Panda杯は2014年に創設され、「私と中国」をテーマに1635歳の日本人を対象にしている作文コンクールだ。使用言語が日本語であるため、中国語ができなくても中国に対して考えを持っている若者であれば投稿可能だ。6年にわたる開催を経て、作品は日本全国47都道府県から投稿され、総数は2500編以上に及ぶ。

日本で開催された20カ国地域首脳会議(G20大阪サミット)の参加を前に、625日に習近平国家主席がPanda杯受賞者の中島大地さんの手紙に返信したことは、中日両国で大きな話題になった。今年のコンクールに対し、両国の各界からの注目度は大幅に向上した。

「ニュースを聞いた時は、非常に驚き、またとてもうれしくなりました。昨年のPanda杯訪中団の一員として、日中の友好関係が現在築かれていると実感します。近い将来、両国の子どもが満面の笑顔で交流していることを願っています」。昨年の優秀賞受賞者の日本女子大学文学院2年生の本間雅恵さんは、習主席の返信というビッグニュースについて話したいことがたくさんあるという様子だった。

 

授賞式の様子

今年は513通の応募作品の中から、審査員による厳正な審査の結果、優秀賞10人、入選10人、佳作35人、団体賞3校(東京農工大学、慶應義塾大学、獨協大学)が選ばれた。 

 

あいさつする孔鉉佑大使

孔鉉佑大使はあいさつでコンクールが歩んだ6年間の歴史を振り返り、次のように述べた。習主席が受賞者に返信したことは、中日両国の青年が相互交流を深め、相互理解を進め、長きにわたる友情を育み、両国関係のより良い明日を切り開くために積極的な貢献を果たすことに対する激励だ。このことは両国で大きな反響を呼んだだけではなく、主催側をも奮い立たせることになった。

孔大使は次の点を強調した。現在の中日関係は改善傾向が続いている。両国の首脳は、新時代の要求に合致する中日関係の構築に共に尽力するという共通認識を達成し、人的文化的つながりをさらに強め、両国の青少年交流を深め、国民同士の親しみ合いを促進しなければいけないことを確認した。孔大使は、受賞者訪中団が自らの行動で中日国民間の相互交流を促進し、両国の関係発展のために活力を注入することを期待した。

 

あいさつする王衆一総編集長 

王衆一総編集長はあいさつで次のように述べた。『人民中国』は創刊以来、中日間の相互理解の促進に尽くしてきた。Panda杯は中日の民間青年文化交流を促進する、近年における新しい試みの一つだ。習主席がPanda杯受賞者の手紙に返信したことについて、王総編集長は次のように考える。返信はコンクール参加者への励ましだけでなく、習主席が未来を見据え、中日両国民の友好にかける期待も含まれている。主催側は現在の基礎を踏まえ、未来に目を向け、Panda杯のアップグレード版を作り上げていく。

 

あいさつする尾形武寿理事長

尾形武寿理事長はあいさつの中で、1980年代における日本財団初代会長笹川良一氏と鄧小平氏の交流のエピソードを回顧した。尾形理事長は次のように考える。過去35年間、日中関係は良い時も悪い時もあったが、政治関係がいかに変化しようとも、日本と中国が海を隔てた隣国であることには変わりなく、日本の文化の源は中国にあり、民間、特に若者世代が相互理解を強め、相手国へ実際に行ってみて、隣国の本当の姿を実感し、知ることが大切である。

 

あいさつする大島美恵子会長

大島美恵子会長は、Panda杯によって中国について真剣に考える日本の若者を知ることができたことに感慨を覚えている。特にうれしいと感じていることは、若者たちがPanda杯で中国を訪れるチャンスを十分に活用し、日中交流の友達の輪を広げたことだ。大島会長は、今年訪中する受賞者が中国の若者との交流をさらに拡大させることを期待しており、自分が見た本当の中国をソーシャルメディアで紹介してほしいと考えている。

習主席の返信をもらった参加者代表の中島大地さんは式に出席し、感想を述べた。中島さんは、習主席の返信の中で述べられていた「両国人民の友好の未来は若い世代に希望を託している」という言葉に感動し、励まされたという。習主席の返信が、Panda杯を代表とする日中青少年交流を強力に推進することになると、中島さんは確信している。 

 

あいさつする中島大地さん

中島さんはさらにこう語った。現在、多くの中国の友人が日本への旅行や留学を通じて、日本に対する理解を深めている。これに対し、日本はこの方面でさらなる努力が必要だ。最近、中国のSF小説『三体』が日本でベストセラーになっているが、これは日中両国が文化面の喜怒哀楽で共通点があることを示している。今後、日中両国が顔を突き合わせた交流を強化するとともに、文化交流をさらに強化することを、中島さんは期待している。

 

5周年記念作文集の除幕を行う大島会長、孔大使、王総編集長(写真左から)

「中日交流を記録した教科書とするべき」

当日はPanda5周年記念文集出版記念式典も行われた。人民中国雑誌社の王衆一総編集長は編集委員会を代表してゲストに、「この文集は日本の若者による中国への理解の結晶であり、5年間のPanda杯が積み重ねた貴重な財産と重要な実践の成果でもある」と紹介し、「文集は近いうちに中日で同時発売される。この得難い成果が両国のより多くの友人に読まれることを望む」と述べた。

 

優秀賞受賞者の由谷晋一さん、清水若葉さん、高塚小百合さんに賞を授与する孔鉉佑大使(左から3人目)

編集委員会によると、文集には201418年までのコンクールの優秀賞受賞作品など50編が中日対訳の形式で収録されているとともに、受賞者たちの訪中の感想や受賞の感想、中国各地で撮影された写真も掲載されている。日本の若者が中日関係をどのように見て、どのように考えているのかが分かる。 

@Japan わたしと中国

式典後、王総編集長は中央電視台(CCTV)のインタビューに応え、次のように述べた。中日関係が困難な時期にあった2014年、中国に修学旅行に行く日本の若者が大幅に減った。主催側は、日本の若者が中国を実際に訪れ、中国をあらゆる角度から理解することを奨励するという初志の下、当コンクールを創設した。6年間の積み重ねを経て、コンクールの成果がいよいよ現れ、中国の上層部と日本の若者のコミュニケーションが実現した。現在の成果に立脚し、主催側は今後、青年フォーラムを開催するなどによって両国の若者の交流を促進しようと計画している。

 

中日メディアの取材を受ける王総編集長

主催側の発表によると、20人の受賞者訪中団は828日に北京や西安を訪れ、中国文化が詰まった観光地を見学するとともに、それぞれの土地で中国の若者と直接交流を行う。

 

 

人民中国インターネット版 201981

 

 

 

 

 

 

 

 

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