「友誼の桜は 永遠なり」 創価大生が北京・成都訪問

2019-12-18 15:46:59

蔡夢瑶=文・写真

 駐日中国大使館と中日友好協会の招きを受けた創価大学訪中団一行81人による北京・成都訪問が9月に6日間の日程で行われた。一行は万里の長城や故宮博物院などを見学し、北京大学で行われた交流会に参加、中国人学生との交流を深めた。6日夜には成都に移動。四川省の人民対外友好協会から手厚い歓迎を受けた。

 歴史を感じる荘厳な建物が立ち並ぶ北京を離れ、成都に到着した一行は、キンモクセイの香り漂う南方の雰囲気に迎えられた。「北京の町は男性的で、成都は女性的な感じがします」と感想をもらしたのは山崎優香さん(21)。小雨が降る中、一行は「洛帯古鎮」という客家(漢民族の一派)の集落を見学した。円形の土楼(客家の伝統的な家屋)や美しい古風な町並み、土産物の屋台……新しい世界が学生たちの目の前に広がった。成都グルメ「サソリの唐揚げ」を食べてみた松下由樹さん(22)は、「エビか煮干しみたいでおいしい。異国ならではの味ですね」とほほ笑んだ。

 雨に濡れた古鎮を出発した一行は、省人民代表大会の留学生現場教育センターに移動し、四川省の政策や政府活動について学んだ。長野県出身の鈴木桃子さん(23)は、「私たち外国人にとって、四川・汶川大地震後の臨機応変な対策などを知る機会はあまりありません。この貴重な機会を生かして、日本でも中国についての友好的な情報を発信していきたいです」と抱負を語った。

 その後、学生らはマーボー豆腐をはじめとする本場の四川料理を味わい、四川省の伝統芸能の「変臉」や「茶芸」を鑑賞した。8日、楽しみにしていたパンダ繁殖研究拠点を訪れた学生たちは、赤ちゃんパンダの愛くるしい寝顔を間近で撮影したり、動画を撮って、その場でパンダの仕草に音声を付けたりしていた。画面の中でパンダが「日本語をしゃべる」様子はとても面白い。

 同日午後に行われた西南交通大学の交流会で、中日の学生は両国の環境保護や文化、生活などについて活発なディスカッションを行った。創価大学の桒野勇太さん(21)は、「昔、私たちは中国から漢字を借りてきました。中国は日本にとって『文化大恩の国』です」と述べ、西南交通大学の易歓さん(24)は、「良いものを共有し学び合うことこそが進歩の鍵です」と応えていた。

 最後に、西南交通大学で行われた歓送会で、両国の学生は歌とダンスを披露し、友情を語り合った。訪中団の学生一同は同校創立者の池田大作氏が日中友好のために作った『桜花縁』を合唱した。「心の庭に 友誼の桜は 永遠なりと」。この歌詞が伝えるように、今回の訪中が両国青年の心にまいた友好の種は、いつか大きな花となり、末永く咲き続けていくだろう。

 

交流会に参加した訪中団と西南交通大学の学生

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