2022年「Panda杯」表彰式 好感度上昇で応募最多

2023-01-17 16:26:07

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中国外文局アジア太平洋広報センター=写真提供

昨年1123日、中国外文局アジア太平洋広報センター、駐日本中国大使館、日本科学協会が共催するPanda杯全日本青年作文コンクール2022オンライン表彰式が北京で行われた。 

表彰式では中国外文局の杜占元局長があいさつを述べ、孔鉉佑駐日本中国大使と日本財団の尾形武寿理事長がビデオメッセージを寄せた。また、日本科学協会の高橋正征会長、首都師範大学の董竹娟党委員会副書記、東日本国際大学の西園寺一晃客員教授、日中友好会館の黄星原理事らゲストのほか、協賛団体の代表と日本人受賞者約100人がオンライン交流を行った。 


「Panda杯」表彰式の北京での様子

  

若者に託された友好の希望 

杜局長はあいさつで次のように述べた。中日は「引っ越しできない隣国」であり、両国の伝統的友情は堅固で得難いものだ。習近平国家主席は、「Panda杯」受賞者の中島大地さんの手紙への返信で、「両国の友好の土台は民間にあり、両国人民の友好の未来は若い世代に託されている」と指摘した。日本の若者がもっと中国に興味を持ち、中国の歴史や文化、発展状況をあらゆる角度から理解することを望む。またその上で、中日の友好交流にさらに深く関わり、自分の立場から中日の友好事業のためにさらに多くの青春の力をささげてほしい。 

孔大使はビデオメッセージで次のように述べた。新型コロナ下で両国の若者が実際に顔を合わせる交流は減ったが、今年(2022年)のコンクールへの応募作品数は過去最多だった。これは中日の青年が交流を切望し、民間の友好の力が強靭で、どのような困難にも屈しないという証しだ。今年の応募作品には素晴らしい作品が多く、軽妙な筆致と真摯な気持ちで中国と中日関係への嘘偽りのない感想と真剣な考えを伝えようとしている。これは中日友好を表す最適なものだ。このような理性的かつ客観的な声がより多くの日本の人々に届いてほしい。 

尾形理事長はビデオメッセージで次のように述べた。今年は日中国交正常化50周年の記念すべき年だ。両国の政治的雰囲気や地域国際情勢が急激に変化する中、日中関係の発展はいくらか阻害されたが、どのような情勢下にあっても、「Panda杯」を含む両国の民間交流は、一致団結しながら継続して推し進めなければならない。 

高橋会長は次のように述べた。日中は隣国として数千年の交流の歴史を持っている。今日、「Panda杯」を受賞した若者たちには今後も日中交流の舞台で活躍し続け、両国の懸け橋となってほしい。 

董党委員会副書記は次のように述べた。両国の若者は開放、包摂、相互参考の理念を持ち続け、誠意をもって交流し、互いに学び合い、共に進歩するという信念を胸に秘め、未来に向けて手を携えて進み、中日の人的文化交流を強化し、両国民の友情促進に貢献してほしい。 


オンラインで出席した受賞者とゲスト 


9年間の実績 

2014年に創設されたPanda杯全日本青年作文コンクールは、中日の青少年交流を促進し、日本の若者に中国をより全面的かつ客観的理性的に知ってもらうことを趣旨としている。毎回「わたしと中国」というテーマで、1635歳の日本人を対象に日本語の作文を募集し、受賞者を訪中研修に招待している。 

「Panda杯」は今回で9回目を迎えた。これまで日本全国から寄せられた応募作品数は合計4200点を超え、100人以上の若者が訪中研修に参加した。「Panda杯」はすでに日本の若者が中国を認識し理解する上で重要な場と有名な大会になっている。 

パンデミックの度重なる妨害にあっても、日本の若者の投稿にかける情熱は冷めなかった。今コンクールは幅広い若者層が興味を持ち、熱心な参加があったため、応募数は過去最多の701点だった。応募作品は厳正な審査を経て、優秀賞10点、入選10点、佳作35点と団体賞3校が選ばれた。団体賞1位は山梨学院高等学校だった。 

  

「色眼鏡」を外そう 

今回の応募者の多くが、作文の中で日本のメディアで報道されている中国のイメージと実際の中国に大きな隔たりがあることに言及した。「中国にはあまり良い印象を持っていなかったが、本当の中国を見て、触れたことで、私の中国観は変わった」「本当の中国と日本のメディアが報道する中国には大きな隔たりがある」「多くの日本人が中国を誤解しているのは、間違った報道や噂が先入観を与えているから」などの内容があった。 

このことについて、今回の審査員を務めた西園寺氏は次のように評価した。日本と中国は歴史的にも文化的にも長く深いつながりがある。現在、日中貿易は日米貿易の約2倍の規模であり、中国は日本にとって最大の貿易相手国である。これだけ相互依存の関係にある日中の間で、なぜ相互理解が停滞しているのか、その懸念と不安は多くの参加者が作文の中で表明している。そんな問題意識を持ちながら、どうすればいいのかを考えて作文を書いていた。これは非常に良いことだと考えられる。 

今回の「Panda杯」受賞者代表の山口翔太郎さんはこう話した。「今年は日中国交正常化50周年の節目の年です。これは、多くの先人たちの努力の結果です。これからの10年、20年、あるいは半世紀にわたる日中関係を築くのは、私たち若い世代に託されています。日中の友好を深めるために最も大切なことは、先入観にとらわれず、『色眼鏡』を外してお互いの国と人々を理解することです」 

  

ビデオレターでPR 

表彰式では、中国と日本の若者たちが製作した2本の「ビデオレター」も公開された。日本側の「ビデオレター」では、5人の若者が中国に対する自身の印象を語り、中国の若者に興味がある物事を質問し、日中交流の思い出や今後の意気込みを語った。その中で佐伯茜さんは、「ぜひ蘇州に行って、本物の中国庭園を見てみたいです。私は今、音大に通っているので、音楽を勉強している中国の学生たちと一緒に曲を演奏する機会があればと思っています」と語った。また、光井大さんは、「お互いの国のドラマや映画を鑑賞することで、両国の日常文化の違いを感じることができ、その違いを議論することが日中交流の一番の方法だと思います」と語った。 

中国の5人の若者は、日本の友人とのエピソード、中国の美しい景色、グルメなどを紹介した。そして最後に、新型コロナの収束後、日本の若者を中国に招き、中国の風習などを実際に体験してもらいたいと語った。その中で楊錦さんは、「以前知り合った北京で働いていた日本人のお兄さんに毎年、北京国安サッカークラブのユニフォームを送っています。彼からも日本のサッカーチームのユニフォームが送られてきます」と話した。董霊さんは、「大学の同級生が日本で設立した漢服同好会には、多くの日本人の先生と学生が参加しています。中日間の交流を促進する素晴らしい方法だと思います」と語った。 

  

アンケートに現れたプラスの変化 

表彰式では、中国外文局アジア太平洋広報センターの王衆一総編集長が、2022年「Panda杯」青年交流アンケート調査の結果を発表した。アンケートは「中国への認識」「中日関係について」「中日青年交流について」「回答者ご本人について」および「Panda杯参加に関する質問」の五つからなる。今年は193件の有効回答を得て、回答者のうち149人が学生、44人が社会人だった。 

調査結果によると、日本にとって日中関係が「とても大切」「比較的大切だ」と答えた割合は9689%、「アジアと世界の平和と繁栄の実現のため、日中両国はより緊密な協力関係を構築すべき」に肯定的だったのが9378%だった。中国に対する印象は1年前に比べて「良くなった」「比較的良くなった」と答えたのが4715%で、9265%が「若者世代の中国人の友達がほしい」と答えた。 

 

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