中国初の試み 日本研究論文コンクール

2018-10-29 16:21:34

見事日本研修旅行の切符を手に入れた学生たち 

1027日、吉林大学で「笹川杯日本研究論文コンクール」授賞式が開催され、決勝戦まで残った大学生およそ30名の受賞結果が発表され、特等賞を獲得した学生らには日本研修旅行への招待も宣言されると会場は大いに盛り上がった。

本論文コンクールは中国の大学生で日本語学部の1年生から3年生が対象となり、日本文化、文学、言語の3分野について、早い時期から研究の基本姿勢を身に付け、興味ある分野をより深く学ぶことで、日本への理解を進め、最終的には日中を支える人材育成に繋げることを主旨としている。その中でも本論文コンクールの特徴は、論文を単に提出して終わるのではなく、決勝戦では最終答弁も行われるため、論文だけでは見えない学生の日本語表現力も重要な審査基準となり、総合的な能力や思考力が試される。従来に無い新しい論文コンクールとして中国全土の大学から注目され、178の論文が54大学から集まった。

授賞式であいさつを述べた日本科学協会の大島美恵子会長は「昨日、安倍首相と習近平主席が会談され、日中関係が更なる発展に向かい歩み出した」と両国にとっての吉兆を祝い、自身も生化学者として「研究とは尽きることのない奥深いものであるが、絶えず直面する課題に向き合って欲しい」と先輩としてのアドバイスを述べ、「研究で得られた理解をより多くの人に伝え、日中関係を担うキーパーソンになって欲しい」とあたたかなエールを送った。

決勝戦では各学生が20分間論文についての紹介を行い、10分間の質疑応答が行われた。テーマには、「アメリカ映画名に対する中日の翻訳方法の対比研究」、「中日お笑い番組における言語的な笑いどころの比較」など独創的なものが目立ち、その中で、特等賞を獲得したのは、下記の通り。

 

文学部門 北京師範大学 3年生 左華芸さん

テーマ  『赤い鳥』における中国像についての研究--挿絵を視点として

 

言語部門  北京外国語大学 3年生 胡楠さん  

テーマ 日本語教育における性別語のあり方についての一考察

 

文化部門 大連民族大学 3年生 王紫玉さん

テーマ 中日両国の大学生の就職観についての比較研究

 

  また、コンクール開催を記念し、日本語教育をテーマにしたフォーラムも同日開催され、中国の日本語教育を担う人材が一堂に会し、活発な意見交換が行われるなど、中国初の日本研究論文コンクールとしては大成功で幕を閉じた。主催団体は、教育部高等学校外国語言文学類専業教学指導委員会日語専業教学指導分委員会、中国日語教学研究会、日本科学協会、吉林大学。

 

 

関連文章