怒江リス（傈僳）族自治州（以下「怒江州」）は、雲南省北西部に位置し、怒江（上流はチベット自治区東部で、南東に流れて雲南省に入る中国西南地区の大河）が全土を貫通していることから名付けられた。怒江州は中国の雲南省とチベット、ミャンマーの結合部で、北はチベット自治区、東は麗江市と隣り合い、西にはミャンマーとの間に449．5㌔にわたる国境線をもつ。ここに暮らす人々の92．2％は少数民族であり、ユートピアのような穏やかな日々を送っている。地勢が険しく交通が不便なため、ここでは未開発の原始的な峡谷の風景と少数民族の文化を目の当たりにすることができる。今回は、峡谷に延びる原始的な道に沿って、怒江を源までさかのぼり、霧の向こうに広がる静かな秘境をのぞきに行こう。