美しい中国 鎮江 長江と運河が交差する町 山々は多彩な伝説秘めて

2019-05-06 09:24:14

 

江蘇省の南部に位置する鎮江市。北に長江が流れ、長江をまたぐ潤揚大橋で揚州と結ばれている。昔から、長江の水がたびたび水難をもたらしたことから、「雄鎮江流」の意味で「鎮江」と名付けられた。市街地には26の山があり、標高100㍍未満の低いものが多いが、昔から政治や宗教が盛んに行われたため、その一つ一つに物語がある。また、京杭大運河が通ることから、この地では経済も栄え、その魅力は数々の文人や海外の芸術家をも呼び寄せた。日本を代表する水墨画家・雪舟が鎮江を訪れた際に、この地の繁栄を記録した『唐土勝景図巻』は日本の国宝に定められ、京都国立博物館に所蔵されている。

奥行きのある路地に何百年も葉を茂らせる大樹が古びた屋敷に影を伸ばしている。耳を澄ますと歴史の物語が聞こえてくる。ふと振り返ると、そこは古代運河に何百年も仕えていた水門の遺跡だった――など、至るところに歴史の面影を感じ取ることができる。

今回の「美しい中国」では、宗教の聖地に秘められた静寂の美と伝説の数々、そして埠頭文化に宿る生活の趣を皆さんと一緒にのぞいてみたい。

 

人民中国インターネット版 2019年5月

関連文章
日中辞典: