孫文清委員 中日連携を歓迎し、日本側の有言実行を希望する

2020-02-21 12:24:45

 

文=王焱

2013年、習近平主席が「一帯一路(新シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード」」の建設協力のイニシアチブを提起すると、世界各国は積極的にこれに呼応した。しかし、日本政府は「一帯一路」に対して、一時的に冷淡な態度を取り、中国が呼びかけたアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入を拒絶した。昨年、日本の態度に変化が現れ、安倍首相は何度も「一帯一路」イニシアチブについて中国側との協力展開に言及した。全国政協委員、国務院発展研究センター研究員の孫文清氏は「安倍氏が、言ったことは必ず実行し、『言必ず信、行必ず果』であることを希望する」と語った。

日本の「一帯一路」加入の動きを歓迎する

孫氏から見ると、日本政府がそれまで取っていた「一帯一路」イニシアチブに対する冷淡な態度は理解され難かった。彼は次のように語った。「13年に習主席が『一帯一路』イニシアチブを提起して以来、国際的な広範な支持と称賛を得て、これほど短時間内に世界的最大のパブリック・プロダクトになった。これは各国が自分にとってこのイニシアチブが有利だということが分かっているからだ」

中国に次のような古言がある。「窮則独善其身達則兼善天下 (窮すれば則(すなわち)独り我が身を善(よ)くし、 達すれば則兼ねて天下を善くす)」。孫氏は、中国は依然として発展途上国であり、まだ「達」の段階には到達していないが、比較的余裕のある外貨準備と建設の経験を積んできた、と考えている。彼は次のように述べた。「まさに中国が改革開放の初期に、国際的な資金と先端技術を獲得することを願っていたと同じように、後発発展途上国が私たちに、世界のその他の力のある国家と連携して、彼らを牽引していっしょに裕福になるように、投資・建設を推進してほしい、と希望するのも当然のことだ」

AIIBはこうした素晴らしいビジョンから生まれた。孫氏は次のように語った。「実はアジア開発銀行(ADB)の日本人の中尾武彦総裁はAIIBの準備段階から支持を表明し、相互協力を希望していた。しかし、当時の日本政府の態度はこれに反して冷淡だった。

昨年から、安倍首相は態度を改め始め、「一帯一路」は「潜在力のある構想」であり、中国側と協力を展開したいと述べるようになった。今年1月22日、安倍氏は衆議院における施政方針演説で再度、「一帯一路」と協力を展開することによって、アジアのインフラ整備の需要に応えたいと表明した。これに対し、孫氏は、これは自民党首脳陣、日本の経済界領袖らが共同で推進した結果に違いない、と分析している。

孫氏は次のように紹介した。「昨年5月、自民党の二階俊博幹事長は代表団を率いて、北京で開催された『一帯一路』国際協力サミットフォーラムに参加し、その後の両国の与党交流では、『一帯一路』が討論の主なテーマとなった。日本経済界も『一帯一路』イニシアチブの発展が日増しに沿線国にメリットをもたらしていることを感じ、建設に参加する傾向がますます濃くなっているようだ。一部の日本企業がすでに中国を通じて、日本とヨーロッパをドッキングする貨物輸送サービスを準備しているという報道もあった」

日本の「一帯一路」参加について、孫氏は強い歓迎の意を示し次のように語った。「中日は隣国であり、日本には豊富な外貨準備と強大な経済力があり、もし中日が大型インフラの開発で提携することができれば、アジアの国々は大いに受益できる」

しかし、彼は安倍氏の態度表明が積極的に見えるが、実際には依然として中国の建設を制肘しようとしているのではないかとして、次のように率直な懸念を示した。「安倍氏は言ったことは必ず実行し、『言必ず信、行必ず果』でなければならない。日本政府は『一帯一路』イニシアチブに他に企むところがあることを疑うべきではない。私たちの考え方は非常に単純で、周りから人類運命共同体の建設を開始し、一歩一歩、全人類に敷衍して行きたいことだ。もし安倍政権がこのポイントを真に理解すれば、『一帯一路』の共同推進に真剣に取り組み、私たちといっしょに素晴らしい、調和のとれた周辺環境の建設に力を入れるだろうと信じている」

 

今年が中日関係の新たな起点になることを希望する

 

前世紀末、孫氏は一時期、中日青少年交流の仕事に従事していた。彼は次のように語った。「私は1990年代のあの時期がとても懐かしく思っている。当時、両国首脳の相互訪問が頻繁に行われ、中日関係は非常に良かった。幸運にも自分自身の目で中日関係の良好な状態を目撃してきた」。当時、孫氏は多くの中国の大学生を引率して日本を訪問し、日本側の青年と活発に交流した。彼は次のように述回していた。「日本の外務省が強力に支援してくれただけでなく、現地の民間団体がこれらの若者をホームステイに招いてくれた。あの時の交流に参加した中国の青年たちはその後、それぞれの職場で中日友好のために大いに貢献した」

「百聞は一見に如かず」という。孫氏は、中国の青年が、条件が整えば、日本に行って見るべきであり、日本の青年も中国に来て、多くの中国の庶民と接触すべきだと、考えている。孫氏は「もし日本の政治家が根本的に中日関係を改善したいと思うならば、青少年交流の面で大いに努力すべきである。もちろん、私たちも同じように努力しなければならない」と語った。

今年は、中日平和友好条約締結40周年に当たり、孫氏は次のように述べた。「中国には昔からの言い方がある。『水を飲むときに井戸を掘った人のことを忘れない』。1972年の国交正常化から78年の平和友好条約締結までの間にも、強い抵抗に遭遇した。当時、前世代の中日友好人士の共同努力の下で、自民党が最終的に決断を下して、中日関係の局面を打開した。振り返ると、決して生易しいことではなかった」

条約締結40周年というこの節目の年に当たり、孫氏は歴史を回顧し、「初心忘るべからず」だと考えている。彼は「長年にわたって中日関係に注目してきた一人として、今日の中日関係が冷却状態にあることに心を痛めている」と語った。孫氏は物事を難しくしているポイントは日本の一部の政治家が頑固一徹で、歴史問題に正しく向き合えないからだと指摘した。彼は次のように述べた。「私が多少懸念しているのは、今年、中国が非常に注目している問題について、日本の一部の政治家がまたこそこそと何かをやる行動に出ることだ。例えば、形を変えた方法で『靖国』参拝を行ったり、台湾問題など中国の主権に及ぶ問題で「エッジボール」を打ったり、あるいはその他の方法で中国人の感情を刺激したりすることだ」

3月8日の記者会見で、王毅外交部長(外相)は日本側に対して「政治上は信用を重視し、行動上はルールを守る」よう強く要請した。孫氏は次のように表明した。「中日間にはすでに四つの政治文書があり、これは二国間の政治的共通認識であり、国際的にも知られているので、日本側は信用を持たなければならない。政府は継承されるものであり、安倍首相が、あれは前任政治家が署名した条約であり、発出した声明と約束だったので、少しも配慮せず、ルールを守らないというわけにはいかない。政治家は一期あるいは数期で離れるかもしれないが、残された問題はおそらく両国の国民感情に対する恒久的な癒えない傷になる可能性がある」

将来について、孫氏は中日両国関係がこれほど長い曲折を経ても、春を迎えることができると信じている。彼は次のように締めくくった。「現在、すでに非常に素晴らしい前兆が見えている。中日関係の冷凍期はすでに過ぎ去るようだ。日本側が、中国人民が非常に注目している重大な問題において、過去の不当な言行を改め、中国側と共に努力して、両国関係を素晴らしい未来に向けて推進するよう期待している。今年が一つの契機となって、中日関係が新しい歴史的な起点に立つように希望している」

 

人民中国インターネット版 2018315

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