なぜ銀監会と保監会の合併に、証監会は含まれないのか?

2020-02-21 12:24:44

  313、国務院機構改革案が第13回全人代第1回会議に上程され、審議された。改革案では、中国の金融監督管理体制で長年続いた「一行三会」の構造に重大な調整が行われ、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)と中国保険監督管理委員会(保監会)が合併し、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)を立ち上げることが示された。この改革案が審議を通過すると、中国の金融監督管理体制は「一行両会」に変わることになる。すなわち、中国人民銀行、中国証券監督管理委員会(証監会)、中国銀保監会である。

 「一行三会」のうち、なぜ証監会は今回の整理統合に組み込まれなかったのか?

 全国政協委員、全国社会保障基金理事会会長の楼継偉氏は次のように述べた。自己資本比率、支払い能力および自己のリスクマッチング能力の面において「保険」と「銀行」には類似性があり、両者とも自己の資本と収益のマッチング、リスクと収益のマッチング、デュレーションマッチングを管理する。一方、証監会は情報公開の真実性、特に詐欺行為を管理し、投資消費者保護の範囲に属し、証券会社に対して資本金の要求はない。銀監会と保監会の合併は類似性があったからで、証監会はそれとは異なる。

 ベテラン財政・経済評論家で経済学博士の馬紅漫氏は次のように考えている。証監会の監督管理対象は銀監会・保監会とは異なり、銀監会・保監会は金融機関だけを監督管理するが、証監会は金融機関のほかに取引所や上場企業、一般の投資家などを監督管理し、合併すると非常に複雑で繁雑になる。国際的な慣例に基づけば、米国の連邦準備制度理事会にも証監会があり、英国には証監会がない。

 経済学者の劉勝軍氏は、英国は「小国金融」に属し、中国と米国は大国金融であり、金融市場の規模と複雑性がさらに高いと分析している。このほか、劉氏は銀監会と保監会の合併は金融監督管理改革の決着を意味しているわけではないと考えている。(銭海澎=編集 民生網などより)

 

人民中国インターネット版 2018315

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