イノベーションは新しい成長エネルギーを生み出す=両会代表・委員

2020-02-21 12:24:39

   中国ではこの5年間、イノベーション主導の発展による数多くの成果が上がり、有人宇宙船、深海探査、量子通信、ジェット機などの重大なイノベーション成果が相次いで現れた。高速鉄道ネットワーク、電子商取引、モバイル決済、シェアリングエコノミーなどが世界の趨勢を牽引していることは、中国が実施したイノベーション主導型発展戦略に端を発している。今年の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では、「創新(イノベーション)」というキーワードをめぐり、全人代代表全国政協委員の議論が尽きなかった

 

 「過去5年に、研究開発投資が年平均11%で伸び、世界第2の規模となったことは、中国のイノベーション型国家建設の加速を示している」。全国政協委員、民盟河北省委副主委、燕山大学副校長の張福成氏は、神威スーパーコンピューター、量子通信、北斗衛星測位システムというシンボリックな科学技術イノベーション成果が相次いで現れたと指摘。イノベーション発展戦略の推進に伴い、新産業、新業態、新モデルに代表される新たなエネルギーが培われたとしている。

 

 張福成氏は、こうした成果が中国の制度的メリットによる恩恵を受けており、必要な分野へ資源が集中されることで、有人宇宙船、航空、コンピューター軍需などの分野が飛躍し、科学技術の実力が急速に上がったと説明。同時に、中国の制度が国民の利益を中心に据え、最大限に国民の創造活力を喚起していると話した。中国は、科学教育立国、人材強国、イノベーション主導発展戦略を打ち出し、科学技術が第一の生産力となって、国の経済発展に枯渇することのない活力をもたらした。経済の実力強化は、科学技術発展の大きな助力となっている。高等教育の発展は、科学とエンジニアリング技術の人材群を育成し、中国の科学技術イノベーションに、先進国に比べ人材コストの優位性をもたらした。

 

  社会全体の研究開発投資規模が世界第2位に躍り出たことは、社会全体のイノベーションに対する積極性が高まり、社会資源がイノベーションに次第に向かっていることを示す。全人代代表、上海市環保局局長の寿子琪氏は以前、長年にわたって上海市科学技術委員会主任を務め、科学技術の発展推進に詳しい。同氏は、研究開発投資の拡大は良いことだが、慢心すべきではないとの見解を示した。「中国が発展するなか、他国も発展しており、より優良なイノベーション発展には皆の共同での努力が必要だ」。

 

 積極的な投資が、イノベーション成果に変わっている。全国政協委員、陸軍軍医大学西南医院病理科教授の卞修武氏は、これまでに重大医療科学研究プロジェクト28件を手がけており、研究開発投資の拡大が中国の医療事業を大きく奮い立たせたと感じている。同氏の研究は、血管や細胞の腫瘍の生成に関するもので、「腫瘍の発生メカニズムは複雑だが、最先端の科学研究を目指しており、それには相当の資金と人材が必要になる」としている。

 

 全人代代表、中国有人宇宙船システム総設計師の張柏楠氏は、ここ数年に中国で重大な成果が相次ぎ現れた3つの要因を挙げた。一つ目は、イノベーション主導が国家戦略となり、国の研究開発投資が次第に増えたこと。二つ目は、中国が追走から並走へという歴史的に新たな段階に転じたこと。三つ目は、教育がイノベーションに優秀な人材を大量供給したこと。「中国はこれまで人口の数が競争力になってきたが、現在は人口の質が競争力になっている」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018319

 

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