晋江市のグラフェン産業技術研究院(写真=チャイナネット/董寧)
グラフェン(原子 1個の厚みで六角形の格子状に並んだ炭素)の応用といえば、よく超薄型ディスプレイ、スーパーコンピューター、太陽電池などのハイテク製品が連想される。しかし、福建省晋江市は、グラフェンを在来産業であるアパレル産業と靴産業に結び付けた。
晋江市のグラフェン産業技術研究院首席科学者の許志氏は取材の中で、「研究院が開発した多くの技術成果は既に中国スポーツ用品店大手の貴人鳥(K-bird)、アパレルブランドの柒(Seven Brand)などといった、現地で服や靴製品を生産する企業とグラフェンの応用に協力して取り組み始めた。現在、汗を吸収し、臭いを防げるグラフェン製の靴のインソールや、保温・殺菌・静電気除去ができるグラフェン製の生地などを開発した」と紹介した。
福建省の東南沿海地域に位置する晋江市は、安踏(ANTA)、盼盼食品(PANPAN FOODS)、七匹狼(SEPTWOLVES)など多くの有名ブランドの生まれ故郷でもある。靴産業とアパレル産業の生産額は1千億元を超えている。現地のしっかりとした産業基盤と結び付き、晋江市は積極的にグラフェン研究院を誘致した。これにより、ハイテク技術と在来産業の融合が推し進められた。
現地政府の堅実で丁寧な仕事ぶりに感動した許志氏は「最初、晋江市の企業とお会いした際に、市政府から多大なご支持と助けをいただきました。当時企業側には私たちの技術を理解していただけず、私たちも企業側のニーズを把握していなかった。市政府は橋渡し役を担ってくださり、関連フォーラムを開催したり、企業訪問に連れて行ってくださったりして、多くの機会を作り出し、研究院と企業の関係構築につながった」と述べた。
現在、晋江市人材部門は企業経営者と技術人材が共同で参加する勉強会「遠航計画」を企画している。ハイテク技術と在来産業の結び付きのために、より効果的なプラットフォームを提供する。(文=王朝陽)
人民中国インターネット版 2018年7月11日
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