相手探しに苦心 お見合いあれこれ
現実的な相手探し
女性が意中の男性に鞠を投げて愛を告白するイベント
前述した親によるお見合いは、今、流行中のお見合い方法だ。公益事業を行う社会団体も、大型の親によるお見合いを不定期に催している。
子どもを心配する多くの親たちは、「昔は、職場の婦人連合会や共産主義青年団、労働組合がイベントを催して、若い男女が知り合うきっかけを作ったものだった。どうして今は誰も口出しをしないのか」と疑問を抱いている。
中国社会科学院社会学研究所の婚姻家庭室主任、王震宇さんは、「生活は個人的な問題となりました。職場は公には口を出すが、私には口を出さない。仕事と生活を分ける。これは近年の中国社会の大きな変化です」と話す。また、「中国は、顔なじみの社会から見知らぬ人で構成された社会へと移行した。社会の流動性が大きくなり、生まれ育った場所を離れて異郷で勉強したり、仕事をしたりする人が増えた。そこで、親戚や友人との交際や社会のネットワークが失われた。これが、結婚が困難になった主要な原因の一つでしょう」と指摘する。
親によるお見合いはロマンチックではないが、現実に直面してこの方法を受け入れる若者もいる。IT企業でエンジニアとして働くある男性も、始めは反対していたが、最終的にはお見合いで円満に結婚した。「仕事のプレッシャーが大きく、異性と知り合う時間や気力がありませんでした。親が条件のいい相手を探して来てくれれば、時間の節約になる。これは昔の『包辧婚姻』とは違います。親は単なる橋渡し役で、最終的に結婚するかどうかを決めるのはやはり自分自身ですから」と語る。
男性は続けて言う。「学生の頃は『家柄や身分がつり合う』という言葉に偏見を持っていました。でも今は、この言葉は双方の権勢や地位だけを指しているのではなく、もっと重要なのは、お互いの家庭環境、学歴、経済状況、そして信仰する宗教であることがわかりました。育った環境が似ていれば、価値観も比較的一致する。だから上手くいくのです」
親たちの経験や考えは子どもたちとは異なる点があるので、親たちによるお見合いの成功率は高いとは言えない。公園に来ていた親たちも、何度も公園に足を運び、何度も話をまとめようとしたが、子どもは満足しなかったと明かす。
社会の変化により、お見合いで求める条件も絶えず移り変わっている。60~70年代は、労働者、農民、軍人の家庭出身の人が喜ばれたが、80~90年代になると、教養や知識のある人が求められるようになった。今の条件は、「高学歴、高収入、マイホームあり、マイカーあり」だ。
確かに、経済的な条件は、生活レベルに直接影響する。しかし、「高収入、マイホームあり、マイカーあり」などといった条件を掲げてお見合いしている人を見ると、本当に良縁を求めているのか、それとも他の目的があるのかと疑ってしまう。(写真提供・NEWSPHOTO 侯若虹・文)
参考データ 現在流行中の新しいお見合い ▽ダンマリお見合い 美しい音楽が流れるお見合い室で、筆談によって交流。口を開いてはいけない。一人の人と15分筆談したら、相手を変える。お互いに気になるカップルが生まれたら、主催者は「正常な」お見合いを設定する。 ▽8分間お見合い 8組の男女が、すべての異性とそれぞれ8分間ずつお見合いする。時間が短いのでスピーディーに質問し、その中から気になる相手を選ぶ。短い時間で上手く自分の魅力をアピールしなければならない。 ▽お見合いツアー 旅行中にいい相手を見つけるというお見合い方法について、気まずい思いをしなくてすむと考えている若者は多い。そこで、春の観光シーズンになると、お見合いツアーが盛んになる。 ▽合同食事会 いわゆる合コン。主催者は、趣味や性格、職業など参加者の要望に合わせて4~8人のグループを作り、レストランや喫茶店などで会食させる。一般的に、6人グループの夕食会が最適。見知らぬ人と知り合うドキドキ感があり、一対一ではないため気まずくない。
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