農民も「低保」金がもらえる
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重慶市栄昌獅子村の村民たちは、今月の「低保」金を受け取った |
李建輝さんは湖南省長沙市の長沙県黄興鎮黄興村の村民である。彼は今、毎月60元の「低保」金をもらっている。それで医療費の支払いに多少、アテができた。ほとんどの貧困家庭がそうであるように、病気は貧困に陥る重要な要因である。
李さんは身体が弱く、病気がちで、ほとんど働くことができない。家庭の主な収入は、妻の李桂珍さんが毎日、臨時雇いの仕事で稼ぐ十数元である。もともと貧しい家だが、李さんの医療費が少なくとも毎月50元かかり、家族は1カ月に一度も、肉の入った料理を食べることができなかった。
2005年1月から、長沙県は湖南省でもっとも早く、農村住民の「低保」制度を実施した。李さん一家は、農村「低保」の対象範囲に入ったので、家族3人は毎月、60元の「低保」金をもらえるようになった。初めて「低保」金をもらったとき、李さんは感極まってこう言った。「まったく、思いもよらぬことです。私たち農民も、都会の人と同じように政府からの補助金がもらえるようになるなんて」
2007年から、湖南省は全面的に農村「低保」制度を実施し始めた。李さんのような200万人余りの貧困住民の生活は保障された。現在、李さん一家の「低保」金は、最初の60元から90元に増加した。
中国では、農村「低保」制度はまったく新しいものでもない。1992年に、山西省左雲県に「低保」制度のテスト地点が設けられた。1994年には、上海市の3つの区でもテスト地点が設立された。1996年、民政部(省)は、『農村の社会保障体系の建設を加速することに関する意見』を発表し、農村の社会保障制度建設の指導プログラムを制定した。
しかし、「都市を優先する」という発展戦略や資金の不足によって、長い間、農村の「低保」制度の建設は遅れた。2002年までに、農村部で「低保」制度の恩恵を受けた人は407万8000人に過ぎなかった。全国に3000万人いる農村の貧困人口に比べれば、その差はかなり大きい。しかしそのときには、全国の都市の2000万人余りの最低所得者はすべて「低保」の対象範囲に入っていた。
2007年、農村の「低保」事業は実質的な飛躍を遂げた。7月11日、国務院は『全国農村の低保制度設立に関する通知』を発表し、年末までに、条件に合った貧困農民をすべて保障の対象範囲に入れるよう要求した。
統計によると、現在、全国の農村で1人当たりの年間の「低保」金の基準は857元で、最低の省は甘粛省の600元、最高は上海市の2560元である。2007年11月までに、農村の「低保」制度はすでに全国31の省・自治区・直轄市の2777の農村(市、区、旗、県の農村を含む)ですべて実施され、保障を受けた人数は2006年末の1509万人から3100万9000人に増加した。(張春侠 沈暁寧=文)
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