中国最大の油田、大慶油田は、中国の国造りの牽引車となってきた。1960年代に開発されたこの油田は、多くの原油を日本に輸出して外貨を獲得するとともに国内の産業に石油を供給してきた。
荒野の中で油田を発見し、採掘するのは並たいていのことではない。「刻苦奮闘」の精神を発揮した労働模範の王進喜は「鉄人」と称えられ、いまも中国の人々の心の中に生きている。
しかし油田の埋蔵量は無限ではない。新しい科学技術をもってしても、これまでの産油量を維持することは困難になってきている。それなら大慶は、ロシアのバクー油田のように滅びてしまうのか。
いや、大慶はいま、ハイテクなどを駆使して、新たな都市に変貌しようとしている。「第二の創業」と呼ばれるその試みは、すでに成果をあげ、新しい大慶が徐々にその姿を現し始めた。
この夏、温家宝総理が大慶油田を訪れ、「第二の創業」の実情を視察した。そして吉林省長春で、政府の「東北振興計画」を発表した。大慶のような中国・東北の資源型都市をいかに近代的都市に転換させるかが、いま中国の大きな課題となっている。
激しく変貌する大慶の姿を現地からリポートしよう。(文=李耀武 宋頴群 写真=劉世昭)
その1 自然と共生する石油の街
その2 打ち出された東北経済の振興政策
その3 「第二の創業」で発展めざす
その4 日本への高まる期待 大慶市の田立英副市長に聞く
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