「農業、農村、農民の問題の解決は、すべての仕事の中での『重中之重』である」――3月に開かれた第10期全国人民代表大会第2回全体会議で、温家宝総理はこう強調した。「三農」問題こそ、中国が直面している最重要課題であるということだ。
生産請負制の導入で、以前より農村は豊かになったとはいえ、躍進する沿海都市部との格差は広がるばかり。農民の収入の伸びは鈍い。そのうえ世界貿易機関(WTO)への加盟で、中国の農業は、国際的競争の荒波にさらされている。
こうした苦境の中から、日本の農協にも似た農民の経済組織の「合作社」が誕生し、急速に全国に広がり始めた。これは農民の自主性から生まれ、農民権利を守る組織であり、新しい農業を生み出す可能性をも秘めている。
「合作社」とはいったいどんな仕事をしているのか。なぜ急速に発展しているのか。北京の近郊にある二つの「合作社」の実情を通じて、その疑問に答えてみたい。
その1 共同で買いたたきに立ち向かう
その2 北方で育てた野菜を南方で売る
その3 専門家に聞く 農業の合作社はなぜ必要か
人民中国インターネット版
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