若者も年寄りも
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胡同観光は北京らしさを体感できると大人気だ |
2003年から、什刹海周辺にはカフェやバー、雑貨店がたくさんでき始め、北京の新しいオシャレスポットとして注目を浴びるようになった。これに影響されて、その東側に位置する南鑼鼓巷もだんだんとにぎやかになり、特色のある小さなショップやレストランがオープンし、流行に目ざとい若者や外国人が集まるようになった。
イギリス人のドミニコさんは、南鑼鼓巷でオリジナルプリントのTシャツを売る店を出している。北京の地下鉄の駅名のプレートや広告、中華料理の定番「宮爆鶏丁」などといった文字がプリントされたTシャツは、奇抜で面白く、若者たちに人気だという。
若者たちが多く集まり、オシャレなカフェやバーが出来ているものの、昔からあった老舗の店も依然として存在する。自分の一貫した経営方法や生活リズムを維持し続けていて、その頑固さがかえって魅力となっている。
たとえば、牛乳で作ったやわらかいプリンのようなデザートを提供する「文宇(女乃)酪」の店舗は、たったの10数平方メートルしかなく、造りや装飾も80年代のままだが、客足は依然として絶えず、道路まで列をなしている。どんなに客が多くても、店主は毎日午後2時にならないと店を開けない。しかも販売は毎日300個限定。完売すると店を閉じ、決して無理はしない。まさに「老北京人」の性格だ。
また、この一帯ではしょっちゅう「創意市場(アイデア・マーケット)」が開かれる。外国人バンドがパフォーマンスを見せるだけでなく、韓国っぽいファッションに身をつつんだ若者が手作りのヘンテコな人形を売っていたり、「東城巧娘(東城の手先が器用なおばさん)」とプリントされたおそろいの服を着たおばさんたちが、自分たちで編んだ小物を売っていたり……。
その一方、近くに住むお年寄りたちが腰掛けを持って集まり、道端でおしゃべりや中国将棋に興じるという、昔ながらの光景も見られる。その道の向こう側にはイマドキのバーがあり、若者たちがビールを飲んだりバンドの演奏を聴いていたりする。これが、什刹海と南鑼鼓巷一帯の魅力なのかもしれない。 (王浩 沈暁寧 高原=文、魯忠民 馮進 楊振生=写真)
人民中国インタ-ネット版
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